夜行急行:「はまなす」廃止へ 北海道新幹線や老朽化で

毎日新聞 2015年09月06日 10時04分

JR札幌駅のホームに入線する急行はまなす=札幌市中央区で2015年8月、手塚耕一郎撮影
JR札幌駅のホームに入線する急行はまなす=札幌市中央区で2015年8月、手塚耕一郎撮影

 JR各社で唯一の定期急行で、ブルートレイン型の青い寝台車を使用している最後の列車の夜行急行「はまなす」(札幌−青森、約480キロ)について、JR北海道が今年度末で廃止する方針を固めたことが5日、関係者への取材で分かった。

 来年3月の北海道新幹線(新函館北斗−新青森)開業に伴う措置。JR北は、(1)青函トンネル内で客車をけん引している現在の機関車が使えなくなる(2)経営が厳しく新型機関車を導入する余力がない(3)新幹線の設備点検のため、夜行列車の運行時間の確保が難しい(4)客車が製造から約40年経過して老朽化している−−などから廃止を判断したとみられる。

 JR北によると、はまなすは1988年3月、青函トンネル開業と同時に運転を開始。1日1往復で、通常7両編成で寝台車や横になれるカーペットを敷いた車両、座席車両を連結。乗車率は平均約5割で、鉄道ファンには根強い人気がある。

 一方、寝台特急カシオペア(札幌−上野、約1200キロ)については、車両が新しく豪華列車として一定の需要があることから、新幹線開業以降も運行が可能か、JR北とJR東日本が協議を続けている。【小川祐希】

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