[PR]

 1歳ごろから言語や運動能力が遅れる神経疾患の一種「レット症候群」の発症メカニズムを、九州大などのチームが明らかにした。ほかの精神・神経疾患や発達障害の発症の仕組みの解明につながることも期待されるという。3日付の米科学誌(電子版)で発表した。

 レット症候群はおもに女児が発症し、患者は1万人に1人程度とされる。患者の8~9割で、X染色体上にある「MeCP2」という遺伝子に変異がみられることは分かっているが、ほかにどんな物質がどのような過程で関与しているかは未解明で、治療法もない。

 九大の中島欽一教授(神経科学)らは、レット症候群のマウスでは働きが弱まるとの報告がある「mTOR」という分子に着目。患者の細胞の分析やマウス実験から、MeCP2に異常があると、遺伝子の働きを調節する役目を持つ「マイクロRNA」のうち特定の1種類の数が減ることを発見。それによりmTORの活動が抑えられ、病気を発症する現象を突き止めた。

 マイクロRNAを補う薬ができれば、病気の発症や進行を抑える可能性があるという。MeCP2の変異は、自閉症や統合失調症の発症に関与することも知られており、中島教授は「ほかの疾患の解明にもつながる」と期待する。(小林舞子)