世界文化遺産に登録された韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)で、れんが壁の一部に、落書きされたような跡が複数見つかっていたことが5日、市関係者への取材で分かった。一部は市が除去したが、消えない部分も残っている。
跡が見つかったのは、炉内でできた灰を落とす灰穴と呼ばれる反射炉下部のれんが製の部分。縦3センチ、横5センチほどの範囲に黒いペンなどを使って書かれた小さな文字のような跡が、壁面に数カ所あったという。
書かれた時期は不明。8月下旬にボランティアのガイドが見つけ、市に連絡した。反射炉の周りには、人が立ち入らないように高さ1メートル弱の金属製の柵が設置されていた。
市の関係者は「約160年前のれんがだった。地元の人が大切にしているのに残念」と話している。同県西伊豆町から家族で訪れた会社員の男性(56)は「せっかくの世界遺産に落書きをするなんて許せない」と憤っていた。〔共同〕
韮山反射炉