こんにちは、中年編集I上です。
このエントリはタイトルが違うだろ、「やるべき」13の習慣じゃないのか、とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ハーバード大学などで教鞭をとったサイコセラピストのエイミー・モーリン氏によれば、そうではないようです。
いくら良い習慣を身につけようと努力しても、つい私たちはそれを台無しにする悪い習慣を重ねてしまうのです。
Photo © Daniel Guerin
しかし、それでは持てる力をフルに発揮することなどできません。運動して汗を流した後、「自分へのごほうび」としてビールにラーメンを喰らっていたら、いつまで経っても痩せないのと同じことだ、というわけです。
このモーリン氏がそのことに気付いたのは、自らの痛ましい経験がきっかけでした。23歳のときに母親が急死。何とか立ち直ってきた3年後、今度は夫が急死。この理不尽すぎる経験で、彼女のメンタルは崖っぷちに立たされたわけです。
それでも彼女は、これからの人生を泣きながら過ごしていこうとはしませんでした。これまで多くの患者たちを回復させてきた経験から、自分がやるべきは「良い習慣を身につけようと努力すること」ではなく、「つい陥りがちな思考習慣をチェックし直して手放すこと」だと気付いたのです。
激しい絶望から立ち直り、打ちのめされそうな自分を支えるために必要なのは、それを妨害する「悪い習慣」を見極め、その習慣をやめることだ、と分かったわけですね。
こうしてモーリン氏は、メンタルを強くするために「やめるべき心のクセ」を13個、自らの実践から抽出しました。
それをまとめてブログに発表したところ、話題が話題を呼んで、あっという間に1000万人以上の読者を獲得。めでたく書籍化され、このたび日本語版も発売されました。
こちらの内容、実はバックナンバー取り寄せ可能のクーリエ・ジャポン9月号でも「逆境に負けないメンタルは、悪い習慣を捨てれば手に入る」として少し紹介させていただいています。
なのでくわしくは本か雑誌をお読みください……では何なので、13のうち3つほどを、ここでも簡単に紹介しましょう。
「自分を哀れむ習慣」をやめる
「いやー忙しいわー寝てないわー」的な「俺って大変アピール」。ついやってしまいがちですが、それでは周囲の人間関係は悪化するばかり。
「いくら大変だからって自分を哀れんだりしないで、あえてその気持ちと逆の行動をとると、ネガティブな感情は消えていきます」とモーリン氏は説きます。
なるほど、寝不足で疲れているときこそ、あえて周りの忙しそうな人を助けるとかすれば、けっこう人徳が身につきそうな気がします。
「どうにもならないことで悩む習慣」をやめる
急いでいるときに限って電車が人身事故で遅れる。ホームで暴れ出したくなりますが、それで電車が瞬時に到着してくれるわけではないですよね。ましてや駅員に詰め寄るとか、愚の骨頂です。オレは感情を制御できないダメ人間だ、と周囲にアピールしても誰も得しません。
自分は周囲を支配することなどできないのだ、と肝に銘じたほうが良いわけです。
モーリン氏は「置かれた状況を受け入れ、自分が何とかできる事柄だけを考え、そこにエネルギーを注ごう」と語ります。つまり、贔屓球団がいくら負けても泣かず騒がず、球場では楽しく応援するわけですな。まさに訓練されたファンになっている気がしますが……。
「人の成功に嫉妬する習慣」をやめる
「リア充爆発せよ」は悪い思考習慣なわけです。「成功した誰かの輝かしい才能が消えることをいくら願っても、その分だけあなたの才能が磨かれるなんてことはありません」とモーリン氏は非モテ的思考に手厳しいです。
実際、身近な人が成功したら、妬むより祝福したほうが楽しくてマシな気がします。うまくするとオコボレにあずかれるかもしれないですしね。って、わざわざメンタルを卑しくしてどうする。
こんな調子で紹介していくとキリがありません。ほかの10個の習慣は以下に並べて紹介しておきますね。
「自分の力を手放す習慣」をやめる
「現状維持の習慣」をやめる
「みんなにいい顔をする習慣」をやめる
「リスクをとらない習慣」をやめる
「過去を引きずる習慣」をやめる
「同じ過ちを繰り返す習慣」をやめる
「一度の失敗でくじける習慣」をやめる
「孤独を恐れる習慣」をやめる
「自分は特別だと思う習慣」をやめる
「すぐに結果を求める習慣」をやめる
なるほど、夏も終わることだしいっちょうメンタルを鍛えたろか、とお考えの御仁は、ぜひとも書籍か雑誌をご覧のうえ、実践してみてください。
私も他人のモテに嫉妬する習慣をなるべくやめてみようかと、10月号に掲載されていた恋愛工学を読んでみることにします。……よりによってその領域に挑戦してもあまり成果が出ないような気もしますが、また来月!
◆ 過去のエントリー ◆
・名トレーナーが教える「ルーティンの力」
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・“セックス依存症”と“アセクシュアル”