NHKニュース7 2015.09.01


東京オリンピックのエンブレムが、白紙撤回になりました。
相次いでいたさまざまな指摘。
何があったんでしょうか。
こんばんは、ニュース7です。
新しい国立競技場に続き、エンブレムも白紙撤回となりました。
2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムについて、大会の組織委員会は、佐野研二郎氏がデザインしたエンブレムについて、白紙撤回し、新たなエンブレムを公募で選ぶ方針を示しました。
オリンピックのエンブレムが正式発表のあとに撤回されるのは、極めて異例のことです。
先ほど午後6時から行われた、大会の組織委員会の記者会見。
組織委員会は、2020年東京オリンピックのエンブレムについて、佐野研二郎氏のデザインしたエンブレムを、白紙撤回することを決めました。
東京大会のエンブレムを巡っては、アートディレクターの佐野氏がデザインしたエンブレムが、ベルギーのグラフィックデザイナーが2年前に作った劇場のロゴマークに似ているとして、IOC・国際オリンピック委員会に対し、使用差し止めを求める訴えをベルギーの裁判所に起こしました。
さらに、エンブレムの審査の際、応募資料として佐野氏から提出された2つの画像について、無断転用の疑いが指摘されていました。
このうち、空港での使用をイメージした画像は、海外のブログに掲載されていた羽田空港のロビーの写真に、構図や、写っている人の様子が似ていると指摘されています。
また街なかの画像は、海外の別のブログで紹介されている、渋谷駅前のスクランブル交差点の写真と、海外の野外音楽イベントのホームページに掲載されている写真に写る人々を合成したのではないかと指摘されています。
組織委員会がきょう午前、佐野氏本人に事情を確認したところ、エンブレムについては模倣していないと、盗用を否定しましたが、使用例の画像については、転用を認めたということです。
オリンピックのエンブレムが、大会組織委員会の正式発表のあとに撤回されるのは極めて異例のことで、組織委員会では、新たなエンブレムの選考について、公募を前提に、選考過程についてもより開かれた形で、できるだけ早く選ぶ方針を示しました。
エンブレムの白紙撤回について、街の人は。
24日に発表されたエンブレム。
ベルギーのグラフィックデザイナーが、2年前に作った劇場のロゴマークに似ていると主張。
先月中旬には、佐野氏が手がけた大手ビールメーカーのキャンペーン用のバッグのデザインが、ほかの作品の絵柄などと似ているとの指摘がメーカー側に相次ぎました。
メーカーは、佐野氏からの申し出を受けて、一部のバッグの取り扱いを中止しました。
また東京の設計事務所を通じて、佐野氏に依頼された、群馬県太田市の新たな公共施設のロゴもデザインの発表後、市民から、アメリカのデザイナーの作品に似ているとの指摘が寄せられました。
こうした中、組織委員会は、先月28日、エンブレムについてデザインの原案を初めて公表。
ベルギーの劇場のロゴマークと似ているとの指摘を改めて否定しました。
佐野氏がエンブレムの使用例として提出した画像を、改めて見てみます。
こちら、エンブレムの空港での使用をイメージした画像です。
一方、こちらは転用元と指摘された画像です。
全体の構図、よく似ています。
また、この人が写っている部分を拡大して比較しますと、こちらもよく似ています。
2つの画像を重ねますと、ご覧のとおりです。
そして、この元の写真の右下にありました、こちら、コピーライト、著作権の透かし。
佐野氏の画像にはありません。
これについて、写真の撮影者は、私がつけたコピーライトの透かしまで削除したことは、道義に反した行為だと思います。
写真を使用するにあたって、許可を取ってほしかったですなどとコメントしています。
大会の組織委員会の武藤事務総長は、エンブレムの白紙撤回を決めたのは、こうした画像を無断で転用していたと指摘されたことなどがきっかけになったという考えを示しました。
その上で、佐野氏からは、公式エンブレムとして発表されるときには権利者の了解が必要だというルールだが、それを怠った、不注意だったという説明を受けたと述べました。
著作権問題に詳しい専門家は、エンブレムの使用の中止について、次のように話しています。
スタジオには、スポーツニュース部の佐藤記者です。
今回、白紙撤回ということになりましたけれども、改めてこれ、なぜなんでしょうか?
今、ご覧いただきましたけども、佐野氏がエンブレムの使用例として提出した画像が、先週金曜日の会見で公表されたあとに、事態は大きく動きました。
画像の転用ではないかという指摘が相次いだため、組織委員会はきょう午前、急きょ、本人やエンブレムを審査した委員の代表から話を聞きまして、エンブレムそのものの使用を白紙撤回するに至りました。
エンブレムを含む佐野氏のこれまでのデザインを巡っては、インターネット上などで、ほかのデザインに似ているという指摘が相次ぎました。
会見した組織委員会の武藤事務総長は、エンブレムそのものについては、盗用ではないと強調しましたけども、一方で、国民の理解が得られないということばを繰り返し、エンブレム使用の白紙撤回を決めたと説明しました。
このエンブレムの白紙撤回、大きな影響が出ています。
東京都庁です。
カメラや携帯電話が狙うのは。
エンブレムです。
東京・江東区では。
一方、掲示していたエンブレムのポスターを取り外したのは、新宿区です。
さらに。
どう扱うか、東京都に問い合わせました。
組織委員会の森会長は。
JOC・日本オリンピック委員会の竹田会長は。
関係する企業も対応を迫られています。
きのうから羽田空港のボーディングブリッジにエンブレムを貼り付ける作業を始めていた、東京オリンピックのゴールドパートナー、みずほフィナンシャルグループ。
事実関係を確認中だとしています。
ホームページでエンブレムを掲載していたゴールドパートナー、三井不動産や、オフィシャルパートナー、日本航空は、エンブレムの使用を取り下げました。
また先月20日にオフィシャルパートナーの契約を結んだ日本郵政。
使用中止の決定をしたなら、それに従うことになると話しています。
経済同友会の小林代表幹事は。
安倍総理大臣は。
エンブレムの使用差し止めを求める訴えを起こした、ベルギーのグラフィックデザイナー、オリビエ・ドビ氏は、組織委員会側は、つい先日まで問題はないとしていたのに、姿勢が一転したことに驚いている。
エンブレムの使用中止を決めたことは、これまでの私の要求に沿うもので歓迎したいとしたうえで、佐野氏が、私が作ったロゴマークを盗作した疑惑は解消されておらず、訴えは取り下げないと述べました。
では再び、佐藤記者に聞きます。
佐藤さん、エンブレム、今後は新しく、どのように選んでいくんでしょうか。
新たなエンブレムについて組織委員会は、基本的に公募を前提にしたうえで、国民の理解が得られるように選考過程を開示しながら、できるだけ早く新たなデザインを選ぶことにしています。
ただ、具体的な方法については、改めて発表するとしています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを巡っては、メイン会場となる新国立競技場の整備計画を白紙に戻したことに続いて、今回、エンブレムの使用の白紙撤回するということになりましたので、大会への信用が揺らぎかねない事態となっています。
オリンピックのエンブレムが正式に発表されたあとに白紙撤回になるのは、極めて異例のことです。
組織委員会は、新しいエンブレムをどう決めるかや、スポンサーにどう説明するかなど、これまでにない難しい対応を迫られることになります。
ここまで、東京オリンピックのエンブレムの問題についてお伝えしました。
次です。
長崎県や山口県の沖合で、けさ、漁船の転覆が相次ぎました。
現場はそれぞれ長崎県対馬市と、山口県下関市の沖合で、6隻はいずれもイカ釣り漁船でした。
4人が死亡し、2人が行方不明になっています。
竜巻のようなものが見えた。
突風で船が回転した。
救助された乗組員などは、こう証言しているということです。
長崎県対馬市の沖合です。
転覆している漁船は、第8金比羅丸です。
船長の橋浦誠二さんの死亡が確認されました。
もう1人の乗組員は行方が分かっていません。
この船が所属する漁協の組合長は。
今回の転覆事故。
この海域では、このほか4隻が転覆しました。
築城初朗さんと扇豊さん、中田功さんの死亡が確認されました。
築城さんは漁業一筋。
温厚で誰からも好かれていたといいます。
漁船が転覆したとされるのは、きょう未明。
対馬市や周辺の海域では、大気の状態が非常に不安定になっていました。
当時の状況について、漁協の関係者は。
また救助された船の船長も、海上保安部に、当時、非常に強い風が吹いていて、漁を終えて航行を開始した直後、船体が傾き、海水が浸水して転覆したと話しているということです。
一方、山口県下関市の沖合でもけさ、福井県の漁協に所属するイカ釣り漁船が転覆しているのが確認されました。
乗っていた2人のうち、船長は救助されましたが、54歳の乗組員1人の行方が分からなくなっていて、海上保安部が捜索を続けています。
海水が巻き上げられる海上の竜巻。
こうした突風は、これまでも船の転覆事故につながっています。
きょう午前3時ごろの風の向きや強さを示しています。
対馬の東の沖合では、南からの風が渦を巻くように吹き込んでいます。
この海域では、強い寒気と暖かく湿った空気がぶつかって、低気圧が発生し、大気の状態が非常に不安定になっていたのです。
専門家は、海上で竜巻が発生していた可能性は高いと分析しています。
大気の不安定な状態、きょうは、広い範囲で局地的に激しい雨になりました。
50年に1度の記録的な大雨。
午前3時半までの3時間の雨量が150ミリを超えた、長崎県の対馬市では、住宅が床上まで水につかるなどの被害が出ました。
愛媛県の宇和島市では、土砂とともに大量の水が山から流れ込み、道路が水につかりました。
愛媛県では、土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。
大気の不安定な状態は、あすにかけて続く見込みです。
西日本ではあす明け方にかけて、東日本や東北では、あす午後にかけて、局地的には1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。
気象庁は、落雷や竜巻などの突風にも十分注意するよう呼びかけています。
こうした大雨による土砂災害に、各地を襲う地震。
そして火山の噴火。
自然災害にどう備え、どう被害を減らせばいいのか、防災の日のきょう、各地で命を守るための訓練が行われました。
オフィスビルの前に出来た人の列。
帰宅困難者の役の人たちです。
こちらの大手化粧品メーカーは、220人を最長で3日間、受け入れることを想定しています。
東日本大震災では、515万人に上ったとされる、首都圏の帰宅困難者。
首都直下地震では、最大800万人に上ると推計されています。
最悪の場合、およそ2万3000人が死亡すると想定されている、首都直下地震。
こちらの訓練では、被害の実態をいち早く把握する、新たなシステムが使われました。
地図にはヘリコプターで上空から撮影した画像を重ねることができるため、火災などの場所をいち早く特定できます。
地図上には、書き込みもできます。
きょうは火山の噴火を想定した訓練も行われました。
24年前の大火砕流で、43人が犠牲になった長崎県の雲仙・普賢岳です。
去年9月に噴火した御嶽山と同様に、大勢の登山客でにぎわう中、噴火したという想定で行われたことしの訓練。
機動隊員らが、噴石で大けがをして、登山道に倒れている人を搬送する手順を確認していました。
大雨と地震がほぼ同時に起きたという想定の訓練も行われました。
自衛隊や消防の救助隊などが、大雨で崩れた土砂に、建物や車が埋もれたという想定で、閉じ込められた人を助け出していました。
そこに震度6弱の揺れが発生したとして、市民らが、倒壊した住宅から中に閉じ込められた人を助け出していました。
次です。
インターネットを通じて、映画やドラマなどを配信する、動画配信サービスに新たな動きです。
世界で6500万人の会員がいる、アメリカの動画配信大手、ネットフリックスが、今月から日本でサービスを始めるのを前に、きょう、都内で記念のイベントを開きました。
よいしょ!
日本での動画配信サービスに参入するのは、アメリカのネットフリックスです。
動画配信サービスを始めたのは2007年。
急速に会員を増やし、アメリカでは現在、およそ4230万人に上ります。
全世帯のおよそ4分の1が契約しているとされ、アメリカのメディアの勢力図を一変させたともいわれています。
さらに、世界では50か国以上で、合わせて6500万人以上の会員がいます。
強みの一つが、独自のコンテンツです。
2013年には、日本円で100億円以上かけて制作したドラマで、アメリカテレビ界の権威ある賞、エミー賞を3部門で受賞しました。
定額の料金で、ドラマや映画などが見放題になり、最も安いプランでは、消費税込みで月額702円です。
無料の民間放送に慣れている人が多い日本で、利用者を呼び込むことはできるのか。
会員向けの有料の動画配信サービスを巡っては、ネット通販大手のアマゾンが今月、参入するほか、DVDなどのレンタル事業大手、ツタヤのネットサービス運営会社や大手携帯電話各社も力を入れていて、利用者を呼び込もうとする競争は、さらに激しくなりそうです。
ニュースを続けます。
今月8日に告示される自民党の総裁選挙。
安倍総理大臣は立候補する意向を表明しました。
総裁選挙では、党内のすべての派閥が、安倍総理大臣の再選を支持することにしている一方、今のところ、ほかに立候補を目指す動きが具体化しておらず、安倍総理大臣が無投票で再選される公算が大きくなっています。
1週間ぶりに700円を超える大幅な値下がりとなりました。
きょうの東京株式市場、中国経済の先行きへの警戒感が強まって、全面安の展開となり、日経平均株価の終値は、きのうより724円79銭安い、1万8165円69銭となりました。
下落率は3.8%に達し、終値としてことし3番目の下げ幅となりました。
市場関係者は、中国経済への警戒感が再燃した形で、当面、不安定な値動きが予想されると話しています。
鹿児島県の桜島について、気象庁はきょう、噴火警報を火口周辺警報に切り替え、噴火警戒レベルをレベル3に引き下げました。
レベル4から、レベル3へ引き下げられました。
気象庁は、昭和火口と南岳山頂火口からおよそ2キロの範囲では、引き続き噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。
タイの首都バンコクで先月起きた爆弾テロ事件。
タイの警察は、事件に関わった疑いで、新たに外国人の男1人を逮捕しました。
タイのプラユット暫定首相は、重要な容疑者だ、この男がいれば、事件の全容が分かるだろうと述べました。
警察は、最初の爆発現場の近くで、監視カメラに映っていた男の似顔絵を作成していて、治安当局は、この男が似顔絵の男に似ていたため、隣国のカンボジアに出国しようとした際に、拘束したとタイの複数のメディアは伝えています。
私たちの暮らしを大きく変えた技術を将来に伝える、未来技術遺産に、人工知能を搭載した世界初のペットロボットが仲間入りです。
ソニーが平成11年に発売したAIBO。
育て方によって、しぐさや性格が変わるなど、従来の玩具とは一線を画し、多くの人が本物のペットさながらに愛情を注ぐなど、大きな話題となりました。
このほか、80年代に熱狂的なマイコンブームを起こした8ビットパソコンなど、合わせて25件が、新たに登録されることになりました。
テニスの四大大会の最終戦、全米オープンが開幕し、去年、準優勝の錦織圭選手が初戦で敗れる波乱がありました。
第4シードの錦織は、世界41位のペールと対戦です。
第1セットを落としますが、巻き返します。
2セット連続で取ります。
第4セットはタイブレークで、これが錦織のマッチポイント。
しかし、決めることができず、このセットを失います。
引きずってしまったと錦織。
その後は相手の思い切りのよいショットに対応できません。
錦織、まさかの1回戦敗退です。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
きょうは低気圧や前線に向かって、湿った空気が流れ込んで、特にこのように湿った空気がぶつかり合っている所で、雷雲が発達をしています。
この時間は特に、北陸や東海を中心に、発達した雨雲がかかっています。
このあとですけれども、どの辺りで注意が必要でしょうか。
このあとは特に、近畿から関東付近にかけて、大気の状態が非常に不安定です。
激しい雷雨となったり、竜巻などの突風の吹くおそれもあります。
では、雨の予想です。
今夜からあすの朝にかけては、特に、近畿や北陸、東海を中心に局地的には非常に激しい雨の降るおそれがあります。
そしてこの雨雲があすの昼ごろにかけて、関東付近にもかかって、ざっと雨足が強まりそうです。
あすの午後はいったん、雨のやむ所、多いですが、北日本、局地的に雨雲が発達しそうです。
また九州は西から再び雨雲が近づく予想となっています。
では、あすの全国の天気です。
2015/09/01(火) 19:00〜19:32
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽荒天か 対馬沖などで漁船転覆相次ぐ・行方不明者も 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美

詳細情報
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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】桑子真帆,【気象キャスター】寺川奈津美

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