終戦の日:「深い反省」天皇陛下、追悼式で初めて言及

毎日新聞 2015年08月15日 12時57分(最終更新 08月15日 15時45分)

 今年の全国戦没者追悼式の天皇陛下のおことばは、「平和の存続を切望」「さきの大戦に対する深い反省」などの文言が盛り込まれ、戦後70年の節目にあたりご自身の思いをこれまで以上に表すものになった。

 陛下のおことばは、2001年以降同じ表現で述べられた。「深い反省」が入ったのは、1989年に陛下が即位して以来、初めてだ。今年は「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」たものであるとの文言が加わった。戦後という「長い期間」について「国民の尊い歩み」と表現したところも新しい。

 戦没者追悼式でのおことばでは初めてだが、陛下は「深い反省」との言葉で戦争に言及したことがある。92年に中国を訪問した際、「我が国民は、戦争を再び繰り返してはならないとの深い反省にたち、平和国家としての道を歩むことを固く決意して、国の再建に取り組みました」と述べている。94年、韓国大統領を歓迎する宮中晩さん会で「過去の歴史に対する深い反省の上に立って、貴国国民との間にゆるがぬ信頼と友情をつくり上げるべく努めてまいりました」と語った。

 昨年、陛下は沖縄、長崎、広島を訪問。今年4月には南太平洋のパラオを訪れ、戦没者を慰霊した。今年の年頭には「(戦後70年の)機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」との所感を公表した。【真鍋光之、高島博之】

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