アルカイダ:最高指導者がタリバン新指導者に忠誠

毎日新聞 2015年08月14日 17時26分

 ◇ザワヒリ容疑者がマンスール師に表明

 【ニューデリー金子淳】国際テロ組織アルカイダの最高指導者、ザワヒリ容疑者はインターネット上に音声メッセージを投稿し、アフガニスタンの旧支配勢力タリバンの新指導者、マンスール師に対して忠誠を表明した。ロイター通信などが13日報じた。タリバンは7月末、最高指導者オマル師の死亡に伴いマンスール師が後継者に選出されたと発表していた。

 ザワヒリ容疑者はアフガニスタンとパキスタンの国境地帯に潜伏しているとみられ、以前からオマル師に忠誠を誓っていた。後継者のマンスール師にも改めて忠誠を表明することで、タリバンとの関係を強調する狙いがあるとみられる。

 アフガンでは、アルカイダと対立する過激派組織「イスラム国」(IS)が影響力を強めており、各地でタリバンと衝突している。今月にはタリバンに協力したとされる東部ナンガルハル州の長老ら10人を爆弾で「処刑」する映像を公開したため、タリバンがISを名指しして「非イスラム的」と非難する声明を出した。

 タリバンとアルカイダは今後も共闘関係を維持し、ISに対抗するとみられる。ただ、タリバン内部ではマンスール師の選出を巡って批判の声が上がっており、一部が離反してIS傘下に流れる可能性も指摘されている。

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