中国人民元:4日ぶり元高に設定 切り下げ一段落か
毎日新聞 2015年08月14日 11時06分(最終更新 08月14日 12時34分)
【北京・井出晋平】中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した人民元の対米ドル相場の基準値は1ドル=6.3975元で、前日の基準値(6.4010元)より0.05%の元高水準だった。前日の基準値より元高に設定されたのは4日ぶり。人民元は13日まで3日連続で切り下げられたが、大幅切り下げが一段落した可能性がある。
14日の基準値は、前日の上海外国為替市場の終値(1ドル=6.3990元)と比べても、0.02%の元高だった。人民銀幹部は13日の記者会見で「(市場の相場と基準値の)差の是正は基本的に終わった」として、今後は基準値の大幅な引き下げはしない方針を示していた。
人民銀は11日、取引の基準として市場に毎朝提示している基準値について、算出方法を変更したと発表し、対米ドルの基準値を一気に2%近く引き下げた。13日までの引き下げ幅は計4.65%に達した。相場を元安に誘導して輸出を拡大する狙いとみられている。だが、過度な元安は、中国からの資金流出を招く恐れがある。