探検バクモン「奇跡のシネマパラダイス」 2015.09.02


今日はですね福島県の本宮市というところに来たんですけども。
ある方に呼ばれまして。
誰?え〜この辺りだと思うんですけどもね。
あら?あ面白い人が来ました。
いやいや面白かない。
面白そうな人が。
こんにちは。
どうも。
こんにちは都築さん。
よろしくお願いします。
どうも。
希代の珍スポットハンター都築響一
都築は面白いものを日本全国から探し出し世に紹介してきた
風変わりなものの中に潜む価値に光を当てた作品で栄誉ある写真賞も受賞した
我々呼ばれて来たんですけども何か面白いものがあると。
映画を見る?映画?でもただの映画館じゃなくて何というかこう映画の秘宝館みたいなですね。
映画の秘宝館?
珍スポットハンターが太鼓判を押す映画館って?
わっすごいです。
わ〜すごい。
そこは激動の時代を生き抜いたミラクル・シネマ・パラダイス
うわうわうわうわ!すごい。
一体何が飛び出すのか。
小さな映画館の奇跡の物語
すごいよね。
あれですあれ。
あっ!え〜!ピンクパレスみたいな。
あららはスナックでしょ。
どう考えたって。
これもよさそうですけどね。
でもあれなんです。
「本宮映画劇場」って書いてあるね。
これはすごいなもう。
すごいでしょ。
住宅街の一角に突如現る異様なたたずまいの館。
その名は…
いつ建てられたのかな。
セットみたいだな。
3階建ての木造ですからね。
今年で101年です。
101年!福島でしょここ。
3.11をちゃんと無事残ってんですからねこれ。
そうですよ!全然びくともしてないっていうかね。
へえ〜立派なもんですね。
巨大な。
いやいやいやホント映画のセットだわこれ。
ね。
どうぞどうぞ。
うわなんかいや〜すげえ。
あっ。
映画館主の。
もぎりのおじさん。
田村修司さんです。
ここの館長さん?ええ田村です。
あどうもはじめまして。
館主の田村修司78歳。
60年前父からこの映画館を受け継ぎ守り続けている
そのまんま!101年前!そうなんです。
町の小さな映画館が次々と取り壊される中ここは全国でも数少ない生き残りだ。
半世紀前に閉館しながら当時の姿を残しているのはなぜなのか
何で取り壊されたりしなかったんですか?いや私は…まあやむなく閉館しちゃって。
だけど生活があるんで田村さんは…毎週毎週…キープした!いやすごい。
まさに映画になるような。
田村は家が買えるほどのお金と休みの大半を映画館にささげてきた
今も客が入ることのない映画館を掃き清め壊れそうになった物を自ら直し続けている
これ何ですか?「喜劇冠婚葬祭」。
(田中)ちあきなおみが出てる。
志ん朝師匠も出てるよ。
うわすげえ!この水戸黄門は千恵蔵嵐寛阪妻なんです。
うわうわうわ!こんな映画あったの?千恵蔵嵐寛阪妻。
すごいよこれ。
昭和30年代ですよね。
いろいろ探してみると映画館には似つかわしくないこんなものも
広沢虎造って書いてある。
え虎造?
(田村)虎若なんです。
(田中)虎若か。
(田中)あお芝居もやってたのね。
(田村)まま母がもらいっ子いじめる話。
はあ〜!
(田村)それでみんな「かわいそうだ」って泣くの。
それがウケんのよ。
こういう地方の映画館っていうのは結構…映画より芝居が多かった。
すごいね!ここはすごい。
でもここはまだロビーですから。
(田村)じゃ劇場の中ね。
劇場の中!すごいな。
ミッション!昭和の娯楽の殿堂その実像に迫れ
うわ〜。
これはニュー・シネマ・パラダイス感あるでしょ。
ホントだよ!
(田中)ニュー・シネマ・パラダイスだよホントに。
椅子も全部そのままですもんね。
(田村)この椅子はね昭和32年に取り付けたの。
(田中)これは昭和32年。
桟敷だったのね。
そうです。
観客たちが目を凝らす先にあるのは映画のスクリーン。
でもちょっと奥すぎませんかね
そうなんです。
ここ回り舞台だったんですって。
ここがガーッと回ってお芝居とかできたんです。
(田中)できたんだ。
この緞帳のねこういうのだって。
「キャバレーレグルス」。
いいですよねこういうのね。
やっぱり芝居小屋なんだ。
(田中)ちゃんとね上があるわけね。
(田中)えっ!三波春夫さんこの舞台に?最後の舞台に。
最後の舞台!すごいですね。
(田中)東海林太郎!東海林太郎が…。
一番最初。
こけら落としででしめが三波春夫。
三波春夫。
すごいね!歴史だよ歴史。
コマ劇場かって感じですよね。
(田中)ちょっと楽しいわ。
すごすぎるここ。
(田中)うわうわうわ。
ここですよ。
上があったんだ。
(田村)大体1,000人以上入る。
(田中)1,000人入るんだ!1,000人ですか!?
(田中)そんな入んだ!
(田村)ここにお座りすると人入るんだよ。
(田中)これ桟敷だから。
そうかそうか。
これはびっくりだなぁ。
かつてこの客席には都会から来たスターを一目見ようと人々が鈴なりになった
見知った顔が肩を寄せ合い喜びの時を分かち合う。
かつてはどこにでもあった風景だ
そんな映画館に対する思いを語るのが…
あらららら。
出てくるんだね!近所の人。
どうもこんにちは。
とん平さんに似てるよね。
(田中)そっくりだもん左とん平さんに。
ここで何か見た一番印象に残ってる映画とかお芝居とかありますか?ショーとか。
…来たことある。
そうなんだ。
あとは一番…ものすごいんだ。
今のカラオケ大会よ。
はいはいはい。
盛り上がってね。
町の人がみんな。
ぎっちり入って。
お祭りですよね。
(笑い声)お父さんは?私はねこちらの劇場の思い出っていうのは修ちゃんの弟さんと私大の友達だったんです。
修ちゃん座っちゃった。
修ちゃん疲れちゃったんだね。
映画館は人々の思い出をつむいだ地域の社交場でもあった
続いて館主イチオシのお宝を見せてもらうことに
ここなの?えっ上じゃないんだ。
(田村)元は上だったのよ。
うわ!
(田中)いやいやいやいや。
こりゃすごい!いや〜これ!
お宝…
日本映画の全盛期を支えた名機。
今も動く姿を見る事ができるのは超レアだという幻の一品だ
え〜これすごいですね。
えっ?カーボン。
このプラスとマイナスで約3,000ワットの光出すの。
2本の炭素棒に大きな電流を流し発光させる仕組みだというのだが…
(点火する音)え?こんなことなんだ!
(田村)こんなことなんです。
シュワッとかいってますからね。
(田村)そして開けますからね。
(田中)うわ明るい明るい!うわうわうわうわ!すごい。
これ直視したら駄目だ。
駄目なやつだ。
それ言ってよ。
取り扱いが難しいカーボン式映写機は機械の発達とともに姿を消した
この映写機は田村が50年間手入れを続けてきたため今でも現役だ
驚きのお宝はこれだけではない
何と国立のフィルムセンターにも残っていないような映画を発掘
これからこれ映してみっから。
うそ!これ見れるんですか?見れる。
この機械で?この機械で!うん。
うわすごいなぁ。
(ブザー)お〜ブザーが。
(映写機が回る音)
映し出されたのはハワイオアフ島
日本軍の飛行機が襲来した
フィルムの正体は1960年にアメリカで製作され翌年に日本でも公開された太平洋戦争の記録映画だった
これは国防総省が集めた秘蔵フィルムを編集したもの。
初公開のシーンも少なくなかったという
あ〜いやすごいね。
こんな映像残ってんですね。
すごいですね。
これ日本の人はこれまだ戦後すぐね。
思い出が強烈な時じゃないですか。
どう見てたんでしょうねこれね。
いやありがとうございます。
映りいいでしょ?すごいですね。
協力ジョン・フォードって出てましたね。
びっくりですね。
でもやっぱり結構鮮明に明るく見える。
映ってるよね。
(田中)映りもあと音もちゃんと。
見応えあるね。
映画と映画館をこよなく愛する老館主が守ってきた道具の数々
今思わぬ形で光が当たり始めている
ここ数年田村の取り組みが世に知られることとなり全国から人々がやってくるようになった
残ってる映写機が…う〜ん。
そうですか。
ハハハハ。
完全にフィルムの中でしか知らない世界。
映画館の中の世界みたいな感じです。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
今準備すっからせっかくだから見ていきな。
はい。
ありがとうございます。
「探検バクモン」
田村がふだんは決して見せない秘密のコレクションを公開してくれるという
(田中)あっあらすごいね!へえ〜!いいポスターいっぱいあるんですけど。
それはかつて日本中で盛んに上映されていたあるジャンルの映画のポスターだ
これはいいね!これが本物の。
すごいんですよ実は。
大衆文化の歴史を語るうえで無視できないもう一つの遺産だというのだが…
(田中)「蛇魂」。
これめちゃくちゃでしょ。
(田中)「特別出演アマゾンの大蛇」。
「ねこと人間と性」何なのこれ?「猫の性教育」って何?すごいですよね。
(田中)「四次元映画」って何?何?「四次元映画」って。
これしかも3Dの飛び出す映画。
飛び出さないと思いますよ。
全然飛び出さない。
(田中)なんにも飛び出さない。
何一つ飛び出してこない。
結局ねこれはみんなあれなんですよね。
あ〜そういうことですね。
ピンク映画とは戦後小さな製作会社によって量産されたポルノ映画のことだ。
1960年代半ばには公開された日本映画の4割を超えるまでになった
だからそれでピンク映画っていうのが独立…インディーズとして出てきたんですよ。
1960年代。
日活とかではなくという事ですか。
なくです。
でそれがすごくウケてきて侵食してきたんでやむをえず日活たちがそれをまねしていろいろ引き抜いてロマンポルノとかを作ったんですよ。
じゃこっち先なんだ。
先です全然。
テレビが家庭に普及し映画を見る人が減っていった時代経営不振にあえぐ映画館を支えたのがピンク映画だった
例えば普通に「寅さん」とかいろんなのやって…そうしないと無理だったんですよね。
(田中)「悲しみよこんにちは」。
(田村)でもこういうのはある。
(田中)「女は下着で作られる」。
「好評により特別上映」。
でもね完全にエロじゃないですか。
まあ要するに。
だから町の人は決して良く思わないんですよ。
子供たち。
子供には良くない。
でもね田村さんは前おっしゃってたのはやっぱりこういう映画は生き延びるためにね結局みんな業界っていうのは…それって僕が思うにはやっぱり田村さんの映画館と一緒だと思うんですよ。
早く壊せばいいのにみたいな感じになっていたのを黙って1人で50年守ってきたんです。
すごいですね。
建物を壊してアパートにすればもうかると話を持ちかける者もいた。
だが首を縦には振らなかった
だって金いくら積んだって戻んないから。
劇場一回手放したら。
5,000万払ったって戻ってこないから。
(女性)だからそこを飽きる事なく眺めてらっしゃる?そうなのね。
飽きないんだよねなんぼ見てても。
すいません先ほどからいらっしゃるこちらの女性は?こんにちは。
あこんにちは。
うちの娘なの。
娘さん!どうでした?子供のころ。
なんか既に産まれるころに谷ナオミさんのいろいろを買うのに夢中になってて私が産まれたことを知ったのが数日後だったっていう。
(笑い声)ひどい。
どういうことなの!
(田中)谷ナオミの事ばかり考えてた。
そっちのほうが大事っていう。
いえいえ大衆文化の歴史を刻んだ貴重な資料なんですよね
そんな田村が今執念を燃やしているのが…
ここに買い取ったフィルム置いたの。
すごいですね!
(田中)うわ〜すごい!「関根恵子」って書いてある。
(田村)そう。
お宝だらけですよ。
お宝だよ。
(田村)関根恵子が「おさな妻」の作品。
「おさな妻」!
(田中)「吉永小百合」。
あ〜はいはい。
すごいですね。
だからここにある缶のフィルム半分以上見てない。
見てない?全然見てない。
荷造ったままになってるね。
チェックしきれない膨大なフィルムは今出番を待っている
実は田村は年に数回無料の上映会を開いているのだ。
更に…
編集してんだ今これを。
なぜ今これを編集してるの?この人は。
いろんな映画の中から自分が面白いと思うシーンだけをより抜きオンリーワンの特別編を作っているのだ
そこにある。
すごいですよこれ。
(田村)「よろめきマンボ」。
(田中)これ見れるの?
(田村)見れるの今日は。
でもこれ放送は?放送OKらしいですよ。
OK?
えっ!?じゃあ特別にちょろっとだけですよ
(ブザー)おっ始まりますよ。
きれいですね。
(田中)ゴーゴー?マンボでしょ。
マンボあそっか。
あっ急に来た!急に来たよ。
ハハハハ!
(田中)完全にこれはストリップ劇場中継。
そうですね。
あ〜邪魔だね。
ちょうどいいとこに。
ちょうどね。
(田中)全かぶりだよ。
完全に隠してる。
(田中)なんにも見えねえよ。
うわすごいこれ。
最高でしょ。
モロ出しちゃってるよ。
モロ出しだ。
これセクシーだなでも。
でもホントここをねやっぱりずっと守ってきたからこれからも当然守っていくと思いますけども。
ここをもう一回公開してできるようになりゃいいですね。
年に数回は無料で町の人を上映して招待しようと思ってんの。
無料っていうのが泣かせますよね。
年に数回っていうのがいいでしょ。
それ以上やりたくないんですよ。
あとは編集があるから。
そうなんです。
編集しなきゃいけない。

101年その姿をとどめてきた小さな映画館
ちょっと頑固な館主のいちずな思いが生み出した奇跡の物語
切に願いたいこの物語が末永く続いていくことを
ちょっと衝撃でしょ。
びっくりした。
びっくりしましたね。
ていうかもう時間が足りないね。
足りないですよね。
ポスター1個だってずっと見ていたいものがいっぱいあります。
全部が世界遺産。
全てが。
ホントね。
すばらしい遺産がここにありますからね。
何かこうもっと田村さんのやってる事を…。
世界の映画界に知らしめたい。
ホントに知って頂きたいと思います。
2015/09/02(水) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
探検バクモン「奇跡のシネマパラダイス」[解][字]

「世界遺産に推薦したい!」、と爆笑問題がうなった映画館が福島に!78歳の館主が起こした奇跡とは?名作映画「ニュー・シネマ・パラダイス」さながらの世界にご案内。

詳細情報
番組内容
昭和の大衆文化を彩る貴重なお宝がザクザク!閉館して50年もたっているのに、全国から見学希望者がやってくる映画館へ。福島県本宮市にある「本宮映画劇場」だ。築101年のレトロな建物、そして日本映画の全盛期を支えた超レアな遺産の数々を、78歳の館主が1人で守ってきた。館主のいちずな思いにバクモンも胸を打たれる。さらに、普段は人に見せない、ドッキドキの秘蔵映像を大公開。映し出された映像に一同が歓喜する!
出演者
【ゲスト】都築響一,【司会】爆笑問題(太田光・田中裕二),【語り】木村昴

ジャンル :
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
バラエティ – 旅バラエティ

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