阪神・淡路大震災20年ドラマ 二十歳と一匹 2015.09.05


(理人)
真っ暗な世界にぽかっと穴が開いて…
ほんで何かでっかいベロが出てきてペロッてなめられんねん。
それが僕の人生の一番最初の記憶
(理人)うん…くすぐったい。
くすぐったい。
もうこしょばいねん。
うおっ!何やお前。
うっそ〜!公園で寝てまうとは。
これはゴミや。
食べもんちゃう。
おいあっち行け。
(ほえる声)俺忙しいねん。
仕事。
居酒屋。
ちょっとあんた…あ〜もうリード離したらあかんやないの!なあミヨちゃん。
いやいや…この犬俺の犬とちゃう。
あの…おい。
おい!どど…どないしたんですか?大丈夫ですか?
(馬場)痛っイタタタ…。
あかん。
あ〜イタタタ…。
あっだ…誰かお医者さん誰かお医者さんはいらっしゃいませんか!?やめてって!あのねタクシータクシー呼んでちょうだい。
分…分かりました。
これお願いします。
危ないからお前はここで待っとけ。
あっあかん。
痛っ。
「レスキュードッグ協会」?ほな行こか。
はいはい…うおっちょっと待て。
待て待て速い。
あ〜ちょちょ…ちょっと待て。
あの…あっあ〜。
あっあの…イテテテ。
(蒔田)あっ藤原さん?あっはい。
すみませんうちの所長が。
いえいえ。
ありがとうございます。
あ〜はいはい…。
(犬の鳴き声)あ〜あのここはペットショップ?ああ?ペットショップ…。
あっすみません。
ここは災害救助犬を扱うNPOその名もレスキュードッグ協会!NPOですか?そこ〜?NPOはどうでもいいんだけど災害救助犬ってとこに引っ掛かってくれる?すみません。
あっあの僕仕事あるんでこれ置いときますね。
はいありがとうございました。
失礼しました。
おお。
いやいやほんまにありがとね。
いえいえ…そんなそんな。
忙しかったとちゃいますか?あ〜まあまあじゃああの僕これで。
仕事あるんで失礼します。
待て!待てよ。
待て?よしよし…。
いやいや…そんな走ったら…ほら腰痛いやんか。
うっそ〜。
あ〜ちょちょちょ…。
あっ大丈夫ですか?走らんで大丈夫ですよ。
これ来てくれるとありがたいな。
災害救助犬のデモンストレーションや。
町内会の人ら集めてなうちの犬がどういう事をするかを知ってもらう会や。
はあ。
(サラ)お疲れさまです。
あっご苦労さん。
あっこんにちは。
こんにちは。
お仕事忙しいんやね。
でもそこをなんとか…。
めっちゃかわいい…。
行きますデモンストレーション!そらうれしいわ。
あっあのほな僕これで失礼します。
ほな。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとね。
やばいやばい…。
ありがとな!キューキュー!何やお前。
(ほえる声)おいおい。
(ほえる声)あの人の事好きなんか?お待たせしました!生ビール4つです!すいませ〜ん!はいはいご注文どうぞ。
この「なにし豚」下さい。
はい。
「なにし豚」一丁!
(空雄)「なにし豚」一丁!
(アラーム)おはようございます。
あっおはようございます。
(足音)
(ため息)
(富美子)さっき帰ってきたばっかりやないの寝とき。
ランチで店開けなあかんねん。
ちょっとは休まれへんの仕事。
まあ店長になったらだいぶ楽やねんけどな。
あとちょっとの辛抱や。
ほしたらもっとお金も入れるから。
ありがたいけどな〜。
そない無理せんでもええから。
はい。

(弘)理人。
うん?お前これサイズ合うてへんのちゃうか?かかともすり減っとるし。
あ〜うん。
足また大きなったんちゃうか?え〜ならんやろ。
俺もう19やで?測ったるわ。
おいで。
母上下行ってくるわ。
二甲22.4やな。
よいしょ。
そうそうこの前や公園で寝てたらな犬にベロ〜ンッて顔なめられてめっちゃびっくりしたわ。
いやそれでな俺何か動物に顔をなめられる夢よう見んねんけど昔何か犬か何か飼うてた?うち。
いやあれは夢っていうよりは記憶やな。
何か生まれて初めてのメモリーみたいな。
父上えらい事なってるで。
べっとべとやんか。
大丈夫だよ大丈夫だ…。
どうしたん?珍しい。
(弘)うっかりしとった。
うっそ〜ん。
ヘヘヘッ。
潰れたらしいで本社が。
テレビでやっとった。
大学行ってくるわ。
ハローワーク行ってくるわ。
おっ今日やん!犬には優れた嗅覚があります。
その嗅覚を使ってがれきや土砂の下にいる生存者を発見するのが我々NPOレスキュードッグ協会の役割であり使命でもあるのです。
レスキュードッグ協会の歴史を振り返りますと19年前この町を襲ったあの阪神・淡路大震災にまで遡ります。
そのころうちの所長である馬場は消防士でした。
所長はほかに何かできる事があるんじゃないかやれる事があるんじゃない…。
長い。
(笑い声)はいお待たせ致しました。
え〜それではワンちゃんたちのデモンストレーションです。
え〜どなたかお一人この箱の中に入って頂けないでしょうかね?
(正次郎)はい!…はい!はいそちらのお二方。
(拍手)さあそれでは救助犬の登場です。
ほい!
(拍手)え〜生きている人間は独特の匂いを発します。
このワンちゃんたちはその匂いを探してこのハンドラーに知らせます。
さあいってみましょう。
まずは…ジョン!
(拍手)ジョンサーチ!うん。
ジョンそこか?
(ほえる声)さあどうでしょう。
(観客)お〜!
(拍手)あ〜ポチ…。
ポチやないか。
おじいちゃんポチやないですよ。
ジョン君ですよジョン君。
はい次は…キュー君!
(拍手)あっ…。
(ほえる声)あらら…キューちゃんどうしたの?今日は調子悪いの?じゃあねっキューちゃんは…。
(小声で)お前この前の犬やろ。
ちゃんと働け。
仕事があるうちが花やで。
高っ!あ〜ありがとね。
よう来てくれた。
どうも。
いやパンフレット見るような年じゃないよね。
あ〜うち祖母と祖父の3人暮らしなんですよ。
だから何かついこういうの見てまうんすよね。
あ〜3人暮らし。
はい。
両親が震災でいないんで。
19年前の。
あっそれは…。
あっでも俺何にも覚えてないんでね。
所長荷物積み終わりました。
あっご苦労さん。
まあまあ座り。
なっ?はい。
えっとえっとえ〜…藤原さんやったよね?はい。
お仕事は何されてるんですか?はい?いろいろ聞いてすんまへんな。
あ〜はい。
え〜っと今は無職です。
会社潰れまして。
ええやないか〜。
はあ?何やってんの?さあ?どうでっしゃろ?うちで働きませんか?えっ?NPOといえども給料は毎月ちゃんと出るしふだんの活動といえば…。
お給料おいくらですか?給料?はい。
大切やんね。
大切。
やります!理人と一緒に晩ごはん食べれるなんて久しぶりやな。
ほんまやな。
あっいいよ俺やる。
俺やる俺やる。
え〜うれしいけど何?今日仕事休みなん?あっあの仕事な…会社潰れてん。
潰れたってあんた…。
いやでもなもう次の仕事も見つけたから今月もちゃんとお金入れるから。
いやいやそんなんはどうでもええねん。
割と給料もええねんで。
何の仕事?あ〜…NPO。
NPO?えっ何のNPO?あ〜…災害のね時にね助ける犬みたいな。
何?まあ要するに災害救助犬的な。
災害救助犬ってあんたそれ何する仕事やねん。
まあまあ何ちゅうのその…次の仕事が決まるまでのつなぎやから。
貴様はこの犬を担当しろ。
え〜こいつっすか?木下こいつに基礎を教えてやれ。
えっ私?俺様クラスになると基礎は教えん。
じゃあまずは簡単な服従訓練から。
服従?犬を人間に従わせるの。
やってみ。
ほえろ。
ほえろ!ほえろ!おいキュー。
そんなとこ登んなって。
あ〜降りてこいよ。
おい!キュー。
どないしましょか。
自分で考え。
えっ?うそ〜ん。
新しいバイト見つかった?いや。
…で言うたん?何が?父上と母上災害何とか犬。
あ〜うん。
言うたん!?よう言うたな。
いやまあでもすぐ辞めるし。
あっそう。
あ〜ととと…。
それよりもサラちゃんどないやねん。
めっちゃかわいいんやろ?う〜ん何かイメージと違ったわ。
あっ!死んだ…。
おい写真とかないんか?写真。
ないわそんなもん!撮ってこんかいお前は!イタタタ…。
撮ってくるか?まじまじ…。
(翔)おった!ここや。
ポチや!ここやでひいおじいちゃん。
ポチや!ポチがおる。
犬は全部ポチか。
キュー。
来い!…はあ。
うわっ!おいかんだなお前。
早く返せキュー。
キュー返せ。
返せキュー。
キュー。
やあどうもどうも。
この前ありがとね。
キューちゃんめっちゃ楽しそうやな。
ヘヘッそやねん。
君にも分かるか?でもあのにいちゃん鈍くさいな。
あっこけた。
アハッ。
大丈夫大丈夫。
放せ。
う〜ん…放せキュー!ありがとうございます。
これ新しいのまた置いときますね。
ありがとうございました。
よろしくお願いします。
どうぞ。
ありがとう。
ありがとうございます。
行くで。
はい。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ありがとうございました。
はいサラさん。
89…おっ1万。
お疲れさまです。
お疲れさまで…。
いや〜しかしサラちゃんあれやね私服姿はいっつもべっぴんやね。
はい。
女である事を忘れたら終わりですから。
それをね女の子らしゅう言えたら完璧やね。
はい。
何かおっしゃいました?いいえ。
確認お願いしま〜す。
あの〜…。
靴擦れですか?そやけど。
えっどの靴ですかそれですか?それとも訓練の時のブーツ?何なん?あっ理人帰ってきました?女の子連れてきた。
あっそうですか。
…えっえっ?古い靴とかも直せるんですか?はあ。
まあ。
バリくそかわいい。
お茶…。
お茶入れてきて。
うちのこれどうですか?ご迷惑おかけしてませんか?ええとても。
えっ?そうでしょう。
すんませんなあ。
いえ冗談です。
どういう事で今の仕事を選ばれたんですか?そりゃあ人を助けたいですから。
動物の専門学校に通ってた時に東北で地震があって私にも何かできる事はないかなと思いまして。
うちのNPOは日本全国の災害現場に出動しますし海外でも実績があるんですよ。
だからどんな危険な現場でも対応できるんです。
いやまあそない言うてもあれやで?俺はまだまだペーペーやし災害が来ても現場なんかに行く事はないからね。
どうぞ。
ありがとうございます。
それに大体ほら次災害が来た頃には俺もう辞めてるかもしれへんやん。
ごめん。
それどういう意味?えっ?あんたそんな気持ちでうち入ったん?気持ち?いや…。
神戸の人間やのに何なんそれ?そら俺は神戸の人間やけど震災の時にはまだ0歳やし…。
阪神・淡路大震災なんて学校で習っただけやしあんなん歴史やし…うん。
すいません。
失礼します。
そんな危ない仕事反対や。
危なないよ。
ってかすぐに辞めるし。
いつ辞めんの?う〜んいや…まだ入ったばっかりやからさ。
災害が来たらどないするん?現場に行くんやろ?何かあったらどないするん?でもさそうそう災害なんてさ来んへんやんか。
みんなそない思てたんや!この前お前が言うてた最初の記憶とかいうやつなあれほんまや。
あの日ここも全壊したけどとりあえず俺たちは無事やった。
せやから俺と母上はお前らのアパートに駆けつけたんや。
そしたら…ぺしゃんこやった。
お前らの部屋がどこか分からんぐらいぺしゃんこやった。
必死になって…。
(ため息)がれきかき分けたんやけどなどないしてもらち明かん。
「これはもう無理やで」言うてたらどっかから犬がひょいと来てながれきの上タタッ登ってな急にほえたんや。
それでピ〜ンと来てなそこのがれきどけたんや。
そしたらお前だけ…お前だけベビーベッドに守られて…。
母上はやっぱり怖いのとちゃうか。
思い出すからなあの景色を。
おはようございます。
あ〜来た来た。
電話してたんや。
はい?無線のバッテリーは?入れました!あの…。
藤原君!留守番頼むで。
残ってるワンちゃんたちの世話や。
フフッ。
えっ?頼むで。
はい。
あの…。
俺たちはこれから岡山へ行く。
岡山?おい木下急げ。
はい!
(車のエンジンがかかる音)うそ〜ん!
(緊急災害速報の音)これか。
キュー短いつきあいやったな。
うい。
お前も一緒に遊んでこい!
(携帯電話の通知音)フフッ。
あいつ1人で何やっとんねん。
痛っ!えっ?うそ〜ん。
あれ?うんっ!あっうう…。
あれ?えっ?ちょっと…。
誰か!おい!
(がれきが落ちる音)痛っ!
(せきこみ)携帯…。
携帯。
おい携帯どこにあんだよ。
おい!誰か!誰か!うう〜っ。
あかん…おい。
やばいって。
やばい…。
誰か!誰か!やばいって誰か!・誰か!誰かいませんか?おい…。
(せきこみ)おい…。
(ほえる声)キュー!キュー!
(ほえる声)
(ほえる声)
(荒い息遣い)
(キューのほえる声)キュー…。
(キューのほえる声)はいお疲れさん。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
(キューのほえる声)あいつ犬ほったらかしてほんま何しとんねん。
う〜ん。
初めての留守番で緊張して腹でも壊したんとちゃうか?ちょっとトイレでも見てくるわ。
おいキュー!こっち来い!おいキュー!呼んだら来いって。
何だよ〜。
そんな鳴き方して。
(キューのほえる声)
(ほえる声)あっ!藤原!藤原!大丈夫か?藤原!あ〜うま〜!しかしあの自分勝手なキューがあんな必死にアラートを出すとは。
並大抵の集中力じゃないですよね。
ほんまに理人君助けたかったんやろ。
ほんまええ救助犬や。
あっでどうやったんですか?現場。
よくぞ聞いてくれた。
無事見つかったよ。
おお!すごい!いやいや消防隊がね見つけたんや。
あっああ…。
そうですか。
いや〜でもよかった。
ほんまに…よかった。
ほんまにありがとうな。
キューお前は命の恩人や。
俺決めたからな。
明日からも来るからな。
どんだけ心配した思てんの。
ほんまにこの子はもう…。
すいません。
警察行こか思ったんやで。
大げさな…。
大げさちゃう!あんたに何かあったら私らどうやって生きてったらええのか分からへん。
しかしまあ人生で2回も犬に見つけられるやつなんてそうはおらんで。
あんた何陽気に笑てんの。
とりあえずお風呂でも入り。
栄養のあるもん作るから。
母上。
うん?父上。
俺災害救助犬の仕事やりたい。
あんな暗いとこでじっとしててなそりゃあめっちゃ怖かったしめっちゃ不安やったけど…でもな俺のお父さんとお母さんもあんな気持ちやったんちゃうかなって思たんや。
助けてほしいって…。
お願いします。
この仕事を続けさせて下さい。
俺災害で困ってる人助けたい。
でもまあ理人がそこまで主張するのも初めてやな。
お前いつもあの2人に気遣うてやりたい事我慢してきたやん。
そうか?おじいちゃんおばあちゃんって呼ばんと父上母上言うてんのもそれなんやろ?そんなお前が生まれて初めてあの2人に逆らった。
これはもうよっぽどの事やぞ。
まあちゃうかもしれんけどな。
おい!
(笑い声)ほえろ。
(ほえる声)よしつけ。
後へ。
よしキュー!よしサーチ。
よしサーチ。
捜せ。
サーチ。
捜せ!サーチ!はいキューサーチ。
サーチ!
(ほえる声)おっそこか。
よしキュー!キュー待て。
はい待て待て…。
取られた。
偉いぞキュー。
待て。
すごいなあ。
次わし。
次わし。
次わし。
分かりました。
ちょっと待って下さいね。
出してもらうぞ!はいキュー!はい出せ!あ〜あ〜あ〜基本がなっとらん。
来週消防との合同訓練があるっつうのにもう。
まあしかしあれだけキューの才能を引き出せるのは大したもんや。
…と思ってんやろ?
(富美子)タカシ真由子さんどない思う?私もなあの子のやりたい事やらせてあげたいんやけど…。
そやけどな…。
気を付け!整列休め!藤原君頼むぞ。
いつもどおりやればいいんだ。
はい!サーチ!サーチ!
(ほえる声)救助犬反応しました。
要救助者発見!キュー頑張れ!
(ほえる声)救助犬反応しました!
(ほえる声)要救助者発見!はいキュー行くで。
あっ。
はいはい…。
よしよし…。
あっ所長。
いや〜今日はうまくいきましたね。
どこがや?えっ?藤原お前はキューから目を離したよな。
えっ?キューが…キューが落ちそうになってた。
あっそうでしたっけ?最後まで気抜いたらあかん!俺たちが相手にしてるのは災害現場や。
でもキューにはそんな事は分からへん。
せやからハンドラーがしっかりと見守らなあかんのや。
キューに万が一の事があってみ。
助けられたはずの命が助けられへんかもしれんのやぞ。
命が懸かっとるんや。
分かっとんな?あない怒らんでもええやんな?キュー。
食え食え。
6,434人。
何の数字か分かるよな?そのうちの8割およそ5,000人が家屋の下敷きになって亡くなった。
震災の時所長って消防やってたって聞いた事あるだろ?目の前はがれきの山。
どこに要救助者が埋まってるかなんて見当もつかない。
それでも必死に捜したらしいんだけど…。
多くの人の命を救う事ができなかった。
でもなあの人は考えに考え続けた。
まあその結果消防辞めてここを始める事にした。
あの人はもう誰一人災害で命を落とさないでほしいと思ってこの仕事をやってる。
俺もそう思ってる。
…っていうかお前らもそうだよな?やっぱ藤原さんやな。
ここの靴やないと。
(弘)ありがとうございます。
いらっしゃいませ。
(弘)今日は休みとちゃうんか。
ああ仕事入った。
遅なると思う。
行ってきます。
今のお孫さん?
(弘)ええ。
そっくりやな〜。
(弘)そうですか?あっいや息子さんにそっくりになったな思て。
積み込み終わりました!積み込み終わりまし…。
あっもしもし。
はい分かりました。
ただちに向かいます。
はい。
許可下りた。
今すぐ向かう!
(サラ)はい!はい!よしキュー。
いよいよやキュー。
俺らの初仕事やで!行方不明者2名。
行方不明者2名。
みんなにはそのお二人が住んでいた家周辺をまず捜索してもらう事になった。
(救助活動する声)藤原。
藤原。
はい。
お前がトップバッターだ。
頼んだぞ。
はい。
頑張るぞ。
サーチ!サーチ。
どうした?どうかしたか?何だ?何でもありません。
3頭とも反応はありません。
ここに生存者はいないと思われます。
(消防隊員)ご苦労さまです。
もうすぐ日没です。
今日の捜索はここまでで結構です。
ありがとうございました。
失礼します。
我々はCエリアの再捜索をする。
見つかりました!行方不明者2名見つかりました!
(泣き声)どちらにいらっしゃったんですかお二人は。
はい。
あの辺です。
うそや…。
うそやろ…。
俺のせいや。
キューが反応したのを俺が無視した。
反応?したか?いえ。
キューは振り返ったんです。
不安そうな顔で俺の方振り返ったんです!生存者がいたらほえるはずだろ。
でも反応したんですよ!俺見たんです!キューがそういう弱い反応したんは昨日の時点で既にご遺体やったからや。
もし生きてはったら…?その方がもし生きてはったらまだ…。
ご遺体やったんや。
藤原お前は間違っていない。
それだったらジョンやラッキーが反応しない場所でキューは反応したんだ。
それだけあいつが優秀だって事だろ。
キューが優秀でもそれを見抜けんかったら意味ないやないですか。
いやだから今回はご遺体に対する反応やったから…。
結局こうなんですか?どんだけ頑張って訓練しても結局役に立たへんのですか?どんだけ捜しても助けられへんのですか!?そんなん…そんなん意味ないやん。
(すすり泣き)ただいま。
お帰り。
お風呂沸いてるで。
ごはんにするか?お風呂入ってくる。
うん。
そうしい。
(弘)よう頑張ったな。
ご心配おかけしました。

(壁をたたく音)
(すすり泣き)
(叫び声)おじいちゃん。
おじいちゃん!今日はお一人ですか?ポチポチ…。
勝手に入っちゃいけないんですよ。
おじいちゃん!ポチはほらあそこにいますけど。
(翔)おった!うん?もう。
捜したやん。
ああ翔君。
うちのひいおじいちゃんぼっけぼけやから。
あれ?理人は?うん?うん。
何や今日は休みや。
ふ〜ん。
(鳴き声)どうも〜!こんにちは。
谷本空雄といいます。
藤原理人の代わりに助っ人として参上しました!…という訳なんだよ。
(空雄)なるほどね!アホやなあもう。
あいつねすぐへこむんですよアホやから。
ハハハハハハッ。
けどきっとあれですわ。
あいつお父さんとお母さん震災で亡くしてるでしょ?そやからそうやって災害現場行って人助けてそれによってお父さんとお母さん助けたかったんやと思いますわ。
せやから今回ここいちでへこんだ思いますよきっと。
あっいやまあでも今更ね人助ける言うてもそれとこれとはもう違う話ですから。
あのアホはそこが分かってへんのですよ。
あ〜1桁計算間違うてる。
ああ…。
あの子ほんまどないするんやろなあ?自分からやる言うたんや。
そのうち出てくるやろ。
はあ〜。
ほんまつらいわ。
いやいや。
ほんまにつらいのはあの子の方かもしれんで?
(ドアが開く音)ごはんにする?うん。
温め直すわ。
母上。
うん?それお刺身。
えっ?あっ…。
(緊急災害速報の音)
(テレビ)「午後8時32分ごろ北海道十勝地方で震度4の地震が発生しました。
マグニチュードは5.1で震源の深さはおよそ10キロと推定されています。
この地震による津波の心配はありません。
繰り返します」。
(携帯電話の通知音)はあ?ハハッ。
何しとんねん。
せやけど今日は暖かいな〜。
ぽっかぽかや。
コート着てこんで正解やったな。
ひいおじいちゃん。
やってもうた!・
(富美子)理人お客さん。
小さい男の子。
どうしたん?翔君。
理人…。
おらんようなってん!何が?ひいおじいちゃん!捜して!一緒に捜して!お…おう。
どこ行くねん。
一人で捜せる訳ないやろ!はあ?何が?・藤原!キュー。
うん。
(翔)キューと一緒に捜してや。
サーチしてえや!サーチって…。
理人!ひいおじいちゃん捜してくれ!薄着で出かけたんや。
このまま夜になったら死んでまう。
何をぼ〜っとしとんねん。
困ってる人がおるんやで。
はよ行き。
早う。
キューお借りしてもいいですか?キューのハンドラーはお前だろ。
(鳴き声)行くで。
(鳴き声)こっちの町なかを徘徊してくれてたら誰かが見つけてくれるやろうけどこっちの山に入ってるとしたら危険や。
キューお願いがあんねん。
あのいつもいるおじいちゃん分かるやろ?「ポチポチ」言うてくるおじいちゃん。
あの人を俺と一緒に捜してくれ。
助けたいねん。
サーチ!キュー待てって。
お前速いって。
キュー?どうしたん?そっちか。
(警官)鈴木さ〜ん。
おじいちゃん!おじいちゃ〜ん?
(キューのほえる声)キュー?
(キューのほえる声)いました!おじいちゃん?おじいちゃん聞こえますか?おじいちゃん?おじいちゃん…。
ポチ…。
(翔)ひいおじいちゃん!翔…。
(泣き声)生きてた…。
生きてたひいおじいちゃん。
(泣き声)
(母親)ありがとうございました!「生きてた生きてた」か…。
アハハハ…。
キューお前のおかげでおじいちゃんの命救えたで。
よし…よしよし…。
藤原。
ほい。
おっ危ない。
よしキュー…。
ありがとうなキュー!
(息を吹く音)
(富美子)あ〜!
(拍手)お誕生日おめでとう!ありがとう!母上父上。
いや〜。
あんたが二十歳やなんて…なあ二十歳やてあんた。
ああ。
大きなったな〜本当に。
息子が父親と同じ年になるやなんて…。
いや…泣かへんって決めてたのに。
ケーキめっちゃおいしそうやん。
うん。
食べよ!うん。
あっでも父上はあかんで。
血糖値上がるから。
え〜。
(笑い声)食べよ食べよ。
これ…お前に。
ありがとうございます。
え〜何これめっちゃ重いやん!アハハハッ。
ええから開けてみ。
えっ…これ父上が作ったん?フフッあんたほら足のサイズ測られたやろ?うそ〜ん!めっちゃうれしい!理人下の店に古〜い靴あるやろ?あれなあんたのお父さんが二十歳の誕生日の時に父上がプレゼントしたんや。
そやのにあんたのお父さんちょっとしか履かれへんかった。
丈夫に作ったで。
それやったらなどんな危険な場所でも足首ひねらへんしどんながれきの上でも歩ける。
お前ももう二十歳や。
自分の人生自分で決めえ。
私らに気ぃ遣わんでもええから。
せや。
お前の人生はお前のもんや。
お父さんお母さんにささげるもんでもない。
お前の好きなように生きたらええねん。
ありがとう。
ありがとう父上母上。

そして今日あの日から20年
(ほえる声)毎年毎年…どうしてもこの日は徹夜してまうなあ。
そろそろ…ですね。
(時報)自分の両親と同い年になってやっと実感として分かったんです。
あの二人…もっと生きたかったんやろな。
あと20年40年って生きてもっといろんな事したかったんやろな。
せやからそんな思いをする人が一人でも減ってくれたらええな。
…って。
よしキューほんなら…今日も行くか!
(鳴き声)よしっ。
よっしゃ取ってこい!2015/09/05(土) 15:05〜16:18
NHK総合1・神戸
阪神・淡路大震災20年ドラマ 二十歳と一匹[解][字][再]

阪神・淡路大震災で両親を失った赤ん坊が、20年後に「災害救助犬」のハンドラーを目指す。「命」を守りたいと確かな一歩を踏み出す青年の成長を通して希望を描く。

詳細情報
番組内容
暗がりに突然光がさし、何かに顔をなめられる…。それが藤原理人(19歳)の最初の記憶だ。理人はひょんなことから災害救助犬のハンドラーを目指すことに。ある日訓練施設に閉じ込められたところを救助犬に救われた理人は、助けを求める人の思いを実感する。「最初の記憶」が「20年前の震災」に結びついていたことも…。震災で両親を失った幼子が、「命」を守りたいと確かな一歩を踏み出す青年に成長する姿を通して希望を描く。
出演者
【出演】菅田将暉,本田博太郎,桐山照史,足立梨花,高橋努,堀内正美,風吹ジュン,小林薫
原作・脚本
【作】岡本貴也
音楽
【音楽】松永貴志

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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