(晋作)出たか。
(利助)全国32藩に出兵を命じたそうです。
その数総勢15万。
我が藩の兵力はおよそ6,000。
腕が鳴るのう。
(せきこみ)
(うの)晋作様…。
(利助)高杉さん…。
誰にも言うなよ伊藤。
こねなもん酒飲んで寝とりゃあ治るんじゃ。
長州征討のため幕府軍は広島に陣を進めていた。
(小笠原長行)表向き恭順の裏で武備を推し進め再三の召喚にも応じずあまつさえ密貿易の疑いまである。
その長州を討てと再び勅許が下された!
(徳川茂承)公方様もすでに大坂にご着陣。
長州がこたびの呼び出しに応じなければ直ちに攻撃を開始する!
(一同)おお!
(靖)これまでの知らせをまとめるとどうやら幕府軍はこの5方面に兵を進めとる。
芸州口石州口周防大島口小倉口萩口。
いずれも突破されるとやっかいじゃ。
(山県)こたびは武士百姓町人ともに戦います。
兵の訓練士官の養成などまだ不足が。
小銃7,000丁すでに配りましたが何せ新式銃です。
扱いに慣れんもんで。
(前原)諸隊に弾薬を運ぶ経路も見直さんにゃならん。
いましばらく時を稼ぎたいところじゃな。
(伊之助)私が広島へ。
嘆願書を持参し毛利家の罪状をすべて否定した上で談判し時を稼ぎましょう。
(元徳)じゃが単身敵陣に乗り込むとなれば抜き差しならぬ事になろう。
たった一藩で幕府軍を打ち砕くか否か。
天下分け目の今。
たとえ骸となって帰ろうともいささかの悔いもございませぬ。
それに京では桂殿が密約を。
更に我が軍には海軍総督高杉晋作なる風雲児が。
この命実に懸けがいがございます。
ただ一つ懸念すべきは民です。
民…。
民百姓も兵に加わるからにはなぜ今戦火を交えるんか。
幕府を迎え撃つにあたり長州藩の忠義とは何か。
広く藩内に知らしめるべきかと。
(敬親)伊之助…。
そうせい。
はっ!
(銀姫)小田村殿が?小田村はすでに幕府との交渉のため広島に向かった。
…というても時を稼ぐためじゃ。
幕府は我が藩から10万石減封し殿や余四支藩の主桂をはじめとする重臣たちと共に広島へ出頭せよと。
それに…興丸も。
(元徳)応じれば和平。
拒めば戦。
なれば…戦でございますね。
ああ。
いよいよじゃ。
(テーマ音楽)・「愚かなる吾れのことをも」・「友とめづ人はわがとも友と」・「吾れをも友とめづ人は」・「わがとも友とめでよ人々」・「吾れをも」・「友とめづ人は」・「わがとも友と」・「めでよ人々」・「燃ゆ」
(銀姫)御前様これは…。
(都美姫)私の甲冑である。
この城に攻め入られる事も十分ありうるであろう。
その時私は戦うつもりじゃ。
姫はどうじゃ?無論私も戦います。
(潮)おそれながら私も。
(鞠)私も。
(園山)私も。
美和。
(美和)おそれながら…。
私は逃げたいと。
姫様興丸様をお連れし逃げてどこまでも逃げ延びて危急の際にはこの身をていして興丸様をお守り致します。
たとえ長州が焦土となろうとも興丸様さえご無事なら毛利家は必ずや復興しましょう。
美和。
お前は諸隊の兵たちに見知りも多い。
今こそお前の力がいる。
お許し頂けますなら申し上げたき事が。
これが山口城にございます。
東と南にあります外門の警護をまず固め次に内門。
もし破られても砲台が。
その砲火をかいくぐられた場合土塁とお堀の水で時を稼ぐ。
そして警護の者を七つ口に集める。
その奥の書院に興丸様を?いえ。
興丸様はこちらに。
女中の長局に?ここにおなごたちを集めその奥に興丸様を。
隙を見て勝手口から外門へお逃がしします。
はあ…どこでその策を?昔兄の講義を聞きかじった事が。
兵の数が劣る時はまず一点に敵の兵を集めよ。
そしてその裏をかき速やかに退却せよと。
はあ…。
気に入った。
日出様。
万一の時は長局の差配をお任せしてもよろしゅうございますか?
(日出)私に?なぜ日出様に?恐らく一番肝が据わったお方かと。
幕府軍相手にひるまず騒がず一杯食わせるくらいの気骨をお持ちでいらっしゃいます。
お任せ下さい。
一杯どころか二杯三杯食わせてご覧に入れます。
(笑い声)病?皆病と申すか。
藩主敬親公元徳公興丸殿…。
今国元でははやり病が。
(本荘宗秀)桂小五郎は?それが…京での戦以来行方知れずでございます。
高杉晋作。
同じく行方知れずで。
前原一誠。
脱藩致しました。
太田市之進。
同じく脱藩。
村田次郎三郎。
死去致しました。
もうよい!それ以上の繰り言はご公儀への謀反と見なす!先の使者宍戸備後助ともども押し込めとする!今日は宍戸は!病にて。
宿で伏せっております。
ひっ捕らえよ!はっ!
(滝)小田村様が捕らわれた?
(梅太郎)美和が奥でもそのように聞いておると。
(亀)ですが小田村様は殿様のご名代として参った訳ですから御身はご無事で…。
(梅太郎)いや。
もはやそのお命幕府の腹積もり一つじゃ。
見せしめに刑に処される事も。
(寿)覚悟しております。
これ…。
読みました。
こたびの戦なぜ戦うか。
長州藩の大義とは何かを記したもんじゃ。
もはやこの戦避けられぬと分かりました。
食べ物…それから薬を用意しましょう。
誰がいつここに来てもええように。
寿手伝うてくれますね。
はい母上。
(雅)ごめんくださいませ。
今日はご挨拶に伺いました。
下関にたつものですから。
下関に?海軍総督高杉晋作を支えに。
(晋作)雅がこっちへ来たがっとる。
そばで身の回りの世話をと。
(靖)しかしべっぴんじゃのう。
いや〜野村様!
(利助)どうするんですか?おうのさんは。
(中原)高杉様!幕府軍進軍が始まったもよう。
幕府軍艦周防大島の久賀浦沖にて威嚇砲撃。
(前原)朗報じゃ!薩摩勢が出兵を取りやめたぞ!
(小笠原)なぜ薩摩は出ぬ?薩摩ばかりでない。
広島宇和島藩も。
この戦には大義がない。
朝意に反すると。
(竹中重固)薩摩の兵が引いては萩口への攻めはなし難く…。
ならば残りの四境を攻め落とせばよい。
数ではこちらが有利。
まずは周防大島からじゃ。
何か幕府軍が向かってきよるらしい。
(悲鳴)一人たりとも逃がすな!大島が?
(小忠太)攻め取られたとの知らせが。
砲弾が撃ち込まれ民家が焼き払われ女子どもまでもが犠牲になっておると。
討て!前原。
この戦どう思う?まともに考えたら勝てる気はせんな。
向こうは万こちらは千。
その万の兵が皆本気で長州を滅ぼしたいと思うとるならな。
志のない寄せ集めの兵など恐るるに足らん!この扇一つで十分じゃ。
おいあれを見ろ。
何だありゃ…。
明かり目がけ撃て〜!
(山田顕義)撃て〜!周りに見えるんはすべて敵じゃ!撃ち込めるだけ撃ち込め!撃て〜!撃て〜!撃退?
(園山)はい!高杉殿率いる丙寅丸が幕府軍艦に砲撃。
更に第二奇兵隊が西から上陸。
山あいから鉄砲を撃ちかけたそうです。
幕府軍は軍艦へと引き返し大島から撤退。
みずから石もて戦った民たちも快哉を叫び喜んでいると!ああ…まことによかったのう。
はい!はい…。
雅様。
まさか山口でお会いできるとは。
どうされました?
(雅)これを。
杉家の母上様から父上様が残された畑の種だそうです。
父上の…。
これが唯一の形見です。
ありがとあんした。
あっそうそう。
ちょうどよかった。
これ。
先日手紙をもらいました。
杉家では今薬袋を作っとるそうですね。
ならって奥でも作ろうと。
これ出来たばかりよかったら。
いかが致しました?おなごがおりました。
旦那様にお妾がおったんです。
回想
(元徳)家に帰らんとどこぞの芸妓のとこに身を寄せとるらしいが。
(雅)どうしてもそばにおりたくて下関まで出向き人づてに聞きました。
主人はもうずっとある芸妓と一緒におると。
こんな事ほかの誰にも話せません。
私は一人家で…。
なのにあの人はこんな裏切り…。
回想
(玄瑞)京の女と情を通じた。
ほんまに惨めなもんやね。
辰路さん昔は売れてたやん。
せやのにこんなこぶつきじゃもうどうにもならへんなぁ。
(辰路)さあ仕上がりましたえ。
行っといでやす。
気にせんでええ。
こぶってなぁ宝物いう意味や!秀次郎。
お前のお父ちゃんはな偉いお侍さんで萩いう所から来たんやで。
京で立派に戦うて逝ってしもたの。
もっと知りたいね。
お父ちゃんの事。
いつか萩に行けたら話聞けるんやろか。
もっとお前…幸せになれるんやろか。
(雅)久坂さんも以前確かある芸妓と…。
あっ…あれは何でもなかったんです。
ただのうわさやったようで。
そうですか…。
それはようございました。
つらいものです。
夫の心が移ろうのは。
一方戦は諸藩の寄せ集めである幕府軍がまとまりを欠き長州軍が各地で勝利を収めていた。
石州口では兵学者大村益次郎がみずから指揮を執った。
大村の西洋式散兵戦術は幕府軍を圧倒した。
和議を?そろそろ頃合いでは?実は殿は懸念されておられる。
確かに今は我が軍士気高く善戦しておるがさすがに幕府海軍総力挙げてこられては勝ち目はない。
幕府軍とて戦が長引く事は望みますまい。
ふん。
今更和議など。
もし私を釈放し山口そして下関へ遣わせて頂けるなら…この不利益な戦和平に転じてみせましょう。
(茂承)それで勝手に交渉を?私の一存で。
すでに書状はしたためました。
間もなく返書が来るかと。
もし長州が和議に応じましたら即座に。
返書ならここに。
「和議には応じず。
あくまで戦い抜く構え」と。
ですが!もしあらぬ話に乗せられ軽挙妄動に出たというならその方の罪は重い。
直ちに大坂に召喚。
お役御免。
厳罰を覚悟せよ。
知らせが来ました!芸州口が苦戦しとるとの事。
初戦は戦果を上げたはずじゃが…。
いやいよいよ勝機じゃ。
彦根と高田が逃げた知らせを敵に触れ回るんじゃ。
幕府軍はてんでんばらばら。
ここが勝負場!更に奇襲をかけ敵を混乱させる!
(一同)おお!皆の者長州男児の腕前を日本中に知らしめるんじゃ。
(一同)おお!残るは最後大砦。
九州小倉口。
開戦前から幕府軍は小倉を本拠に九州諸藩2万の兵を集結させていた。
今日これより門司田野浦に奇襲をかける。
先手必勝。
我らが流れを作る。
酒盛りはそれからじゃ。
(一同)おお!
(せきこみ)高杉さん!高杉さん!高杉さん!まさか高杉さんが…病?まことにございますか?どうも肺をやられておるらしい。
本人の望みもあってまだこの件は内密にと。
もし今晋作に何かあれば長州軍は総崩れとなるやもしれぬ。
興丸の事重ねて頼む。
はい。
下関に戻るぞ。
じゃがここは一気に!焦るな。
一体いつから…。
この戦必ず勝つ。
そのためにまず先にあの化け物をたたく。
(汽笛)
(潮)今朝方来た伝令によると高杉殿かの富士山丸に小舟を近づけ砲撃を加えたと。
小舟?
(潮)砲弾は次々命中したものの巨大な軍艦を破壊するには至らず…。
(赤ちゃんの泣き声)せわぁない。
どねに心配で気に病む事があってもせわぁない。
そう言うて我が家では皆働きました。
働くというても…。
種がございます。
種?ではお願い致します。
(一同)はい。
(雅)畑?やはりこういう時ですから皆不安を抱えております。
なので働こうと。
雅様も萩に戻られたらいかがです?少しご気分を変えられて杉家で塾を手伝うて頂いたりまた組みひもなどやったりして高杉さんのお帰りを。
もう戻るかどうか。
えっ?芸妓の事を知って以来前のように旦那様を思う気持ちもついえました。
なのでしばらくは親元で過ごそうかと。
私も…よう分かります。
本当はおったんです。
せんだってはついあんなふうに…。
でも本当は…。
久坂さん?打ち明けられました。
京にええ人がおったと。
そん時は雅様と同じ。
悔しいような「ああやっぱり」なんて諦めにも似た…心が冷えるような。
でも…。
思ったんです。
あの人は命を散らしていたんやと。
富士山丸は依然姿をくらましております。
大きい使命があって…戦い傷ついて…。
きっと高杉さんも。
富士山丸!見ろ。
煙が出とらん。
機関の止まっとる船などただの塊じゃ。
ひるむな。
寄せろ。
今頃命を散らすように戦っているんでは…。
兄に託され久坂たちに託され…もうずっと重い荷物しょって。
結局一人なんやないかって…。
誰とおっても一人。
やからせめて信じてあげてつかぁさい。
あなただけは帰りを待っていてあげてつかぁさい。
きっと無事にお戻りになります。
褒めてあげてつかぁさい。
あのお方の事やから小憎らしい事言うてどうせまたちゃかすんやろうけど。
言うてあげて。
あなたはやり遂げた。
英雄だと。
撃て〜!みんな語り継ぐ。
その名は輝いて後の人をも照らす。
長州一の英雄だと。
撃て〜!私の夫は大した人ですね。
ええ。
私は…その妻なのですね。
一方誰も予想だにしなかった事が起きた。
大坂にて将軍家茂様ご逝去!衝撃的な知らせにより幕府軍は完全に戦意を喪失。
奮闘していた小倉藩は援軍を得られずみずから城に火を放ち退却した。
幕長戦争は長州軍の歴史的な勝利に終わった。
どうじゃ…先生…。
久坂…見たか…。
俺はやったぞ。
こたびの広島行き大儀であった。
敵陣にて捕らわれ連日の厳しい糾弾さぞこたえたろう。
いえ。
至福の時でございました。
ほう…。
獄で伝え聞く我が藩の四境での快進撃。
強大な幕府軍が右往左往するのを目の当たりにしまさかここまでと…胸が震えました。
長州人である事をこれほど誇りに思った事はございませぬ。
これからこの国は大きゅううねる。
その渦に立ち向かえるようわしと…この長州を助けてくれ。
身に余るお言葉。
無論どこまでもこの命ある限り忠節を尽くす所存でございます。
面を上げよ。
(都美姫)初めてお前に会うた時なんという者が奥に参ったのかと私は思った。
しかし今は…。
この奥も変わらねばならぬ時である。
より寛容にそしてしなやかに…。
そう美和に教えられた気が致す。
めっそうもない事でございます。
そなたは開戦の折まず興丸の事を思い奥を守る策を考えてくれた。
おかげで奥座敷は薬袋でいっぱいじゃ。
(笑い声)美和。
そなたを中臈に任ずる事に致す。
(都美姫)そして家名断絶となっていた久坂家。
再興せよとのお許しを得た。
亡き夫の墓前に知らせてやるがよい。
恐悦…至極に存じます。
高杉さん!死期が迫る高杉。
その知らせを受けた美和は。
私に話とは…。
えっ?京で戦が始まるようです。
ついに幕府との最終決戦。
高杉の思いを受けた美和の新たな戦いが始まる。
泣き言は言いません。
慶応2年5月。
小田村伊之助は藩主の名代として広島の国泰寺で幕府との交渉に臨みました。
幕府の処分命令を受け入れなかった伊之助はついに拘束されてしまいます
そして幕府軍は周防大島を皮切りに長州の国境4か所で長州軍を攻撃したのです
中でも激戦だったのが九州小倉での戦いでした。
高杉率いるおよそ1,000人の長州軍が小倉に陣を構えた2万の幕府軍を攻めたのです。
高杉の戦略と奇兵隊などの活躍により小倉城下を制圧。
長州軍は勝利します。
この戦いで幕府の権威は地に墜ち時代は一気に討幕へと進む事になるのです
2015/09/05(土) 13:05〜13:50
NHK総合1・神戸
花燃ゆ(35)「孤高の戦い」夫の裏切りに奥御殿も揺れる[解][字][デ][再]
ついに「薩長同盟」が成立した。そして伊之助は幕府との戦の時間稼ぎのために、藩主の身代わりに出頭することを決める。美和(井上真央)は死を覚悟した伊之助との対面で…
詳細情報
番組内容
「薩長同盟」が成立して間もなく、幕府軍が長州に迫ってきた。美和(井上真央)のいる奥御殿でも緊張が高まる中、幕府は藩主・毛利敬親(北大路欣也)と後継ぎの元徳(三浦貴大)を広島に出頭させる命令を出す。そこで伊之助(大沢たかお)は自分が身代わりに出頭し、その間に高杉晋作(高良健吾)に戦の準備を進めるように促す。一方美和を訪ねた高杉の妻・雅(黒島結菜)が驚きの発言を…。雅と奥の動揺を抑えるために美和は…。
出演者
【出演】井上真央,大沢たかお,高良健吾,北大路欣也,優香,久保田磨希,劇団ひとり,佐藤隆太,大野拓朗,北見敏之,檀ふみ,永岡佑,鈴木杏,黒島結菜,田中麗奈,三浦貴大,石橋杏奈,銀粉蝶,鷲尾真知子ほか
原作・脚本
【脚本】金子ありさ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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