小さな旅 シリーズ山の歌 夏「岩峰 越えて〜新潟県 八海山〜」 2015.09.05


(テーマ音楽)
切り立った岩の壁が幾重にも連なります
新潟県の南部にある八海山です。
標高は1,778m
容易に人を寄せつけない頂は古くから信仰の対象とされ修験者たちが訪れてきました
八海山の麓に広がるのは日本有数の米どころ魚沼盆地
八海山からもたらされる豊富な雪解け水が特産のコシヒカリを育みます
南魚沼のこの田んぼ目にまぶしい緑ですよね。
夏の田んぼのにおいがします。
7月。
八海山を目指しました
山の麓に神社がありました
こんこんと湧き出す水。
八海山を源にしています
今これ神社のねおちょうずのところちょっと。
これどういうお水なんですか?八海山の麓で湧き水になって出てきてるんだけども一帯この辺が八海山のこう…何て言うの?沢の終わりになってるんだと思うんです。
生活するには第一が水という感じはしますよね。
八海山は山開きする7月からの4か月間登山者や参拝者でにぎわいます
その多くはロープウエーの駅のある4合目付近から山頂を目指します
こんにちは。
こんにちは。
随分…。
皆さんね観光な感じですけれどもお二方しっかりこれから登られる?はい。
登山道の入り口で一組の夫婦と出会いました
もう何回目ぐらいですか?440回です。
え!?今日が440。
440回!
地元南魚沼市に住む81歳の関順次さん。
この日は妻の厚子さんも一緒に登ります
関さんは会社を退いた69歳から八海山に登るようになりました。
以来12年間にわたって雨の日も風の日も登り続けてきたのです
(厚子)あっ頂上見える。
八海山の麓で生まれ育った関さん。
この山には特別な思いがあると言います
関さんは33歳の時地元で小さなプラスチック加工の会社を立ち上げました。
社名には「八海」。
ふるさとの山にちなんで名付けました。
関さんは懸命に働き創業当時5人だった会社を従業員数1,000人を超すまでに育て上げたのです。
オイルショックにバブル崩壊。
厳しい経営を迫られた時勇気づけてくれたのは八海山の雄大な姿でした
(厚子)お父さん小さい花がきれいだほら。
そんな関さんをいつも傍らで支えたのは妻の厚子さん。
今は二人山への感謝を込めて登っています
関さんは厚子さんを気遣って短いロープを用意していました
はいつえ。
(厚子)ここね。
(順次)つえ。
はいつえ貸して。
(厚子)大丈夫。
(順次)しっかり…よし行こう。
(順次)ちょっと待ってな。
いいかい?
(厚子)はいどうぞ。
よいしょ。
お父さん落ちてこないで。

登り始めて3時間。
欠かさず手を合わせる8合目のほこらに着きました
八海山に登り続けて440回。
関さんは心の支えとなった山への感謝を伝えます
お父さんありがとう。
ご苦労さん。
二人で無事にこうやってね登れたんで感謝申し上げます。
自分だけの力じゃなくこの山全体の何か力をこう頂いてるパワー頂いてるのかってな事をよく考えるけどね。
見えないですけどね。
気持ちは感謝の気持ちが伝わるのかな。
それはずっとお礼参りとして回を重ねてきたのかと思いますけどね。

8合目から稜線を歩く事15分
そこに小屋が見えてるのにこれ使うのか。
結構…よいしょ。
あ〜着いた!
八海山にある唯一の山小屋千本檜小屋です
(鐘の音)は〜いい音がしますね。
こんにちは!NHKの長野と申します。
よろしくお願いします。
上村ですよろしくお願いします。
管理人さんの。
この山小屋を1人で切り盛りする上村拓馬さんです
はいお待たせしました。
わっお釜の御飯!お釜だ!すごいね。
自慢のもてなしは釜で炊いた魚沼産コシヒカリ。
八海山の水が育んだ米が疲れた体を癒やします
おいしいね。
おいしいおいしい!あ〜!おいしいですね。
来たかいがあった。
(上村)去年秋でしたっけ?ここで飲みながらお話を。
あ〜そっかそっか。
覚えてるんだ?覚えてます。
すごいね。
山に入る夏の間は麓に家族を残しての単身生活。
山小屋で働き始めたのは6年前の事でした
かつて50年以上にわたってこの山小屋を支え続けたのは祖父の敬雄さん。
八海山を愛する登山者たちから慕われていましたが病に倒れ山を下りました
祖父の背中を見て育った上村さん。
山小屋を守り継ぐ事にしたのです
八海山を好きな人がやっぱりこの山小屋に集まるんでそういった人が支えてくれて今こうやって1人でやってる事ができてると思うんで。
ずっとじいちゃん守ってきたんでやっぱり俺がやらなきゃいけないなって思って今もやってますね。
この夏上村さんの3人の子供たちが山小屋を訪ねてきました
上村さんは祖父・敬雄さんから受け継いだ山小屋の暮らしを子供たちにも伝えたいと考えています
(上村)この辺ぐらいかな?OK!これは消さないの?つけておいて。
(上村)自分も子供の頃にこの山小屋で少し生活してみて今すごくいい思い出なんで。
それがあったから今こういった仕事をやってるというのもあるんで。
やっぱりこの八海山はいい所だなというのは伝えたいですね。

山小屋の先には八海山最大の難所が待ち受けています
8つの切り立った岩の峰が続く稜線八ッ峰。
その最後にそびえる大日岳に向かいます
よいしょ。
はぁ…不動岳に到着しました。
2つ目の峰不動岳で祈りをささげる男性がいました
(祈祷)今お祈りをされてましたけど。
ちょっと恥ずかしいですけど。
ここに登ってこの格好でお祈りをする。
そうですねここはもうこういう形で。
登る時は必ずこうやって来ます。
八海山で長年修行を重ねてきた行者の遠藤岳道さん。
持っているのはほら貝です。
30年以上前からこの山でほら貝を吹き続けてきました
ここに八ッ峰をかけてうたう瞬間だけが一番自分との対する…向き合えるかな。
その時に自分が素直になれるんです。
もともと大工だった遠藤さん。
職人かたぎで人とぶつかる事が少なくありませんでした。
そんな自分を見つめ直したいと20代の頃から修行を続けてきたのです
山の神に最も近づけるという大日岳を目指します

大日岳に行くには20か所を超える鎖場を越えなくてはなりません

あえて険しい道を進み自らを鍛え直そうという人が八ッ峰にやって来るのだといいます
ここはでも足元が…。
ここも怖いですね。
(遠藤)腰低く。
踏み外せば崖の下。
一歩一歩慎重に進んでいきます
大丈夫ですか?はい。
力を入れて…よいしょ。
いつの間にか無心になって歩みを進めていました
よいしょ。
何かつかむとこあるかな?最後の難所ですよ。
ここ。
これが…。
来ましたね。
ここが大日岳。
絶壁ですね。
垂直にそびえる岩の壁。
ここを越えれば目指す大日岳です
はぁ…着いた。
(遠藤)来ましたね。
顔が上げられない。
ここが…。
何か涙が出てきた。
(笑い声)ありがとうございますありがとうございます!ようやく着きました。
この光景見てやってんか。
ようやくたどりついた頂。
見渡すと越後駒ヶ岳に中ノ岳。
標高2,000mを超える山々が連なります

眼下には緑豊かな魚沼盆地
行者の遠藤さん山の神に近づけるというこの場所で感謝の調べを奏でます

(遠藤)言葉は見つからないけどやっぱり多分この山がなければこのような優しい気持ちには私はなれなかったかも分からない。
不思議な山です。

心に光をともす導きの山です

(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2015/09/05(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅 シリーズ山の歌 夏「岩峰 越えて〜新潟県 八海山〜」[字]

新潟県の八海山。標高1778mのこの山は、断崖絶壁が続き、古くから「霊峰」として信仰の対象となってきた。登山者が「不思議な力をもらえる」と話す山の魅力に触れる旅

詳細情報
番組内容
そそり立つ岩峰が幾重にも連なる新潟県の八海山(はっかいさん)。標高1778mのこの山は、古くから「霊峰」として信仰の対象となってきました。いまも山伏の格好をした人々が、修行のための登山を行っています。8つの岩峰が続く山頂付近では、断崖絶壁にかけられた数々の鎖場を越えなくてはならず、その達成感から、修験者以外の登山客にも人気があります。「山から不思議な力をもらえる」と語る登山者たちにふれあう旅。
出演者
【語り】長野亮

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:18464(0x4820)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: