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【ゴルフ】

平本、修造の言葉で5位浮上

2015年9月5日 紙面から

第2日、1番でティーショットを放つ平本穏=富士桜CC

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◇フジサンケイクラシック<第2日>

 ▽4日、山梨県富士河口湖町、富士桜カントリー倶楽部(7471ヤード、パー71)▽晴れ、気温25・9度、西北西1・8メートル▽賞金総額1億1000万円、優勝2200万円▽119選手(アマチュア3人)▽観衆1261人

 13位から出た平本穏(やすき、29)=アイディオー=が4バーディー、2ボギーの69で回り、首位と5打差の通算3アンダーで5位につけた。松岡修造著のベストセラーにつづられた直情的な熱血語録に背中を押され、好スコアを呼び込んだ。8アンダーの韓国の金庚泰(キム・キョンテ)が単独首位に立ち、67で回った川村昌弘(22)=マクロミル=が3打差の2位に浮上した。

 6、8番でアイアンの距離を読み間違え、ボギーをたたいた。フジサンケイCは過去3年連続予選落ち。不安が膨らみ、「予選落ちしたら、どうしよう」。平本は好機に震え、まだ見ぬ危機におびえた。いつも弱気の虫が顔をのぞかせ、「また崩れるのか…」と消極的な気持ちが頭をもたげてきた。

 そんな苦境で自身を救ったのは「魔法の言葉」だった。

 「崖っぷちありがとう! 最高だ」

 「今まで何万発、打ってきたんだ!」

 「きょうからおまえは富士山だ!」

 前夜。夕食後に宿舎近くのコンビニに立ち寄った。気分転換に漫画を買うはずが、手が伸びたのは18万部のベストセラー「松岡修造の人生を強く生きる83の言葉」(松岡修造著/アスコム社)だった。熱血男の前向きな言葉が胸に刺さり、寝るのも忘れて2、3時間もベッド上で読みふけった。

 「ゴルフは不安との戦い。自分自身のメンタルの弱さを受け入れながら、緊張も楽しもう、と。ゴルフができるありがたさをもう一度、思い起こさせてくれた」

 11、13番で4メートルのパットを決めると、15番では5メートルの難しいラインを沈めた。危機になっても動じず、平本は「83の言葉」を念仏のように唱え、不安を追い払った。後半だけで3バーディーを奪い、「日本一難しいコースで心が折れなかった。奮い立たせてくれた。言葉一つで変われるんじゃないかと思った」。弱々しく苦悩する姿はもうどこにもなかった。

 今季は3日目の平均ストローク70・25、最終日は同72・25と勝負どころで弱かったが、「プレッシャーを感じてやろうと思う。崖っぷちありがとう、と」。松岡語録を胸に刻み、平本が優勝戦線をかき回す。 (松岡祐司)

 

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