こんにちは!nanapiの社長をやっている古川といいます。普段はKen-changとよばれたりします。
nanapiは基本的には、人が少ないので、今のところ社内政治とかあまりないんじゃないかなーと思っているのですが、どんな会社でも、人と人がやりとりしている以上、ある程度の摩擦と、物事を推し進める上での力学は出現してくると思っています。
基本的に、ITベンチャーとかで起業しちゃう人って、あまり社内の人間関係とか、本質的ではないやりとりが好きじゃない人が多いと思うのですが、そんな人ほど社内政治を作っちゃう、という話を昔に聞いたことがあり、注意しています。
なぜ社内政治が起きやすいか
では、社内政治が嫌いな社長は、なぜ社内政治を引き起こしやすいのでしょうか?
その理由は簡単です。架空の例で考えてみましょう。
たとえば、社長と、部長Aさんと、エンジニアAさん、という3名がいたとします。エンジニアAさんは、やりたい機能があるとします。しかし、部長は俺が納得するまで説明をしろといい、なかなかプロジェクトがすすみません。
エンジニアAさんは、それを社長に言います。社長は、元々エンジニアだったのですると社長は「この案はいいね。いいよ、やっちゃいなよ。もし、部長がわからない場合は、俺に言えば、俺が判断するからさ」的なことを言います。
当然、社長が理解しやすいものに関しては、部長よりも早く意思決定ができます。部長は部長で、部のルールや基準、ロジックの考え方に応じて判断しますが、社長の場合、基本的にどんな意思決定でも社内で許されてしまうので、「この機能はいけてる」とわかると、判断できちゃうわけです。
社内政治とかが嫌いな社長からしてみたら、社内で派閥みたいなのができて、ぐだぐだやられるのはすごくいやなわけですね。本質的ではないわけですし、正しいことが判断して決定できていればいいわけです。無駄なプロセスを踏みたくないわけですね。
となると、次から、エンジニアAさんは社長に許可をとりにいきます。そうすると話が早いからです。こうすることでスピードが早くなり、また余計な説明がいらなくなるので、非常に効率的になります。
そして会社が大きくなります。大きくなると、社長に直接来る量が多くなってきます。しかし、人が増えても、個人がよくわかっている人間というのは、そんなに増えません。やりとりをするのは、昔から仲がいい人などに偏っていきます。少なくても、全員と平等にコミュニケーションはできません。
すると、エンジニアAさんは、社長に直接、言えますが、エンジニアBさんは、社長に直接言えません。そこで、エンジニアAさんは「何か通したい時は、俺にいいなよ。俺から社長にいうからさ」となります。というのも、エンジニアBさんは社長と仲良くないですし、社長も仲良くない人とは話さない上に、提案されても判断しづらいので、信頼できるエンジニアAさんの意見を聞くようになります。
となると、社内的には、エンジニアAさんと仲良くなるのが、自分の意見を通すのに最適な方法になります。そしてそれは、上長である部長に正式に提案するよりもスピーディーなので、正式な手続きや、ロジックよりも、エンジニアAさんに気に入られて、自分の意見を提言してくれるようになるほうがいいわけです。
こうして、社内は、「エンジニアAさんとしっかりと仲良くなって、意見を握るほうがいい」という形になり、政治的な動きが増えてしまうわけです。
どうすればいいのか
上記のような例は、よくあるケースだと思います。問題は、何の権限もないエンジニアAさんが、社長と距離が近いというだけで、意見を通しやすい立ち場になるということです。
これが部長だとしたら、部長の判断が数多く間違っていて、仕事がうまくまわらないとなると、立場を変えるという手段があります。しかし、仲がいいというだけの人は、異動のしようがないので、影響力を持ち続けてしまうのが不健全です。
これを止める一つの方法は、権限の明確化、役割の明確化です。
– 権限を明確化する
– 権限がある人は、一つしたの階層の人以外とはやりとりをしない
ということになります。官僚的になってしまいますし、部長のOKをもらわないとダメになる、という点では、社内政治がおきていると言えますが、それでもイレギュラーが減ることで、社内政治の「程度」が抑えられます。
また、現場への積極的な権限移譲というのもあります。エンジニアであれば、機能改善などは、特に上長の許可なくできるようにするという形です。たとえばFacebookなどでは、本番環境に直接アップできるようになっています。
ともあれ
「俺は社内政治なんて嫌いさ〜」といって、社内の力学とかに興味がない人は、逆に社内に政治を作ってしまうということがあるので、意識をしてみるといいかなーと思いました。