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【サッカー】

本田、重い空気断ち切る先制点 カンボジアに3−0勝利

2015年9月4日 紙面から

日本−カンボジア 前半28分、先制ゴールを決める本田(佐藤哲紀撮影)=埼玉スタジアムで

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◇W杯アジア2次予選 日本3−0カンボジア

 サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でE組の日本(国際サッカー連盟=FIFA=ランキング58位)は3日、埼玉スタジアムでの第2戦・カンボジア(同180位)戦を3−0で勝ち、2試合で1勝1分け(勝ち点4)とした。前半28分、MF本田圭佑(29)=ACミラン=の代表通算30得点目のゴールで先制。後半はDF吉田麻也(27)=サウサンプトン=らが加点して突き放したが、格下相手の3ゴールは物足りない内容だった。日本は8日、中立地テヘランでアフガニスタン代表と同予選第3戦を行う。

 重くのしかかっていた呪縛を、その左足で断ち切った。10人でゴール前を固めるカンボジアの守備を崩せないまま迎えた前半28分、ペナルティーエリア外でボールを受けた本田が迷いなく振り抜く。6月のシンガポール戦から数えて実に31本目となる日本のシュート。「正直入るとは思わなかった」という強引な一撃は、無回転気味に6人の赤い壁の間を切り裂き、GKの両手を貫通する破壊的な豪弾だった。

 代表通算30得点目に達する先制点。しかしアジア相手に4試合勝ちなしだった日本代表を「当然あってはいけない、ふがいない結果」と戒めていた千両役者に派手なガッツポーズはない。「ホッとした」と静かに胸のエンブレムにキスをした。

 試合後は、圧倒的にボールを支配しながら崩しきれず、ミドルシュートとこぼれ球を詰めて奪った3得点に警鐘を鳴らした。「結果と内容は別物。3点は物足りない。取り方もチャンスのつくり方もまだまだ」。無得点だったシンガポール戦からほとんど進歩がなかったと指摘した。

 「点取りたいオーラが出たときの日本は『行けそうなときに行っとけ』という一点張りになる。そういうマインドならまず(守備に)引っ掛かる。実際に引っ掛かったのがシンガポール戦。試合の中で緩急を付けて切り替えていかないといけない。いろんなことをやるのが足りない」

 アジアの引いた相手を崩し、こじ開けてきたこれまでの日本の強みは、ハリルジャパンで失われつつある。だが本田は「サッカーというのは、新しいものに取り組めば前にできていたものができなくなる恐れもある」と進化の途中にある弊害だと分析した。長いようで短いロシアへの道。結果と内容を求めながら、本田は集大成となるW杯へと向かう。 (宮崎厚志)

◆代表8カ月ぶり や〜っと香川弾

 ハリル体制では自身初ゴールを決めたMF香川は、反省の言葉ばかりを並べた。2−0の後半16分に右足でネットを揺らしたが、8カ月ぶりの代表ゴールも喜べなかった。「前半外していたので、必ず決めないといけなかったのでゴールは良かった。外したことに課題を感じる」

 2度のビッグチャンスを逃した。前半30分、右からの速いパスにニアサイドでフリーで合わせたがゴールを大きくそれた。同42分には左から絶好のパス。だが「慎重にいきすぎた」という香川は、がら空きのゴールではなく、相手GKへとパスするような一撃を放ってしまう。痛恨のミスを犯して天を仰いだ香川。「5、6点入らないといけない試合。必ず決めないといけないチャンスが2、3本あった」。代表通算21得点は中山雅史と並んで歴代10位タイとなったが日本の「10番」に笑顔はなかった。 (馬場康平)

 

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