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【プロ野球】

藤浪、自己最多&単独トップ12勝 トラ首位死守

2015年9月4日 紙面から

阪神−広島 7回表2死二、三塁、田中を空振り三振に打ち取り雄たけびをあげる藤浪(棚橋慶太撮影)=甲子園で

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◇阪神5−1広島

 阪神が連敗を3で止めた。藤浪が7イニングで9四球と制球に苦しみながら2安打1失点、12奪三振で自己最多の12勝目。4番に入った福留が6回に勝ち越しソロ。マートンが3安打4打点。広島は再三の好機を生かせず13残塁の拙攻だった。

   ◇

 制球難すらも、自慢の剛球でねじ伏せた。阪神の藤浪が7イニングを2安打、1失点。自己ワーストの9四球を与えながら、12三振を奪う藤浪ワールドだった。

 真骨頂は1点リードの7回だ。2四球で2死二、三塁。藤浪は「ここで打たれたら、ホームランを打ってくれた福留さんに顔向けできない」と147球目に意地を込めた。高め152キロに、田中のバットが空を斬る。投球同様の荒々しいガッツポーズで、感情を解き放った。

 シーズン合計でも184奪三振、67与四球数はリーグトップ&ワースト。藤浪を象徴する投球で自己最多12勝目をもぎ取った。「感覚がかみ合わなくて苦しい投球になってしまいました。今日は粘ることが大事だと思っていたので。調子が悪かったから打たれましたじゃ、済まない時期なので」

 松坂、ダルビッシュ、田中…。高校時代に甲子園を沸かせた投手はプロ入り後に、肩、肘痛を発症し、苦しんでいる。こうした現実を目の当たりにすると、藤浪も他人事と思えないという。

 「いつか自分もケガすると思っています。『肩、肘は消耗品』だと思っているので」

 春季キャンプのブルペンで球数を投げないのはそのためだ。今年も他の投手が100球以上投げる中、藤浪は多くて70球程度。「1000球を超えていないのは自分ぐらい」と自己管理を徹底。高校時代でさえもブルペンで100球以上を投げたのは一度だけ。しかし、試合になると球数はどんどんかさむ…。

 シーズン9度目の2桁奪三振は11年のダルビッシュ、田中以来。球団では71年江夏以来、44年ぶりの偉業だ。だが、今は記録も勝利数も関心を示さない。「援護してもらった結果です。何よりチームの勝利が大事なので、その上で、自分に勝ちが付けばいいです」。見据えるのは、リーグ優勝の2文字のみ。負けたら首位陥落の一戦でチームの連敗を止めた。1位でゴールテープを切るまで藤浪は勝ち続ける。 (杉原史恭)

 

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