音楽素材や関連ソフトのクリプトン・フューチャー・メディア(札幌市)が開発した歌うキャラクター「初音ミク」が4日から、東京・千代田の日本武道館で「コンサート」を開催する。武道館の舞台に3D画像の初音ミクが登場し、4日夜から5日にかけて3回公演する。国内で最も人気のあるバーチャルシンガーの活躍の場を広げ、関連ビジネスにつなげる。
クリプトンなどが主催する「マジカルミライ」と題したイベントの中で約2時間のコンサートを開く。舞台上に透明のスクリーンが用意され、3Dの映像で初音ミクが映し出される仕組みだ。隣接する科学技術館では初音ミクなどクリプトンのキャラクターを使った創作物の「企画展」も6日まで開く。
マジカルミライの実施は今年で3回目。1回目は2013年に横浜で1万5000人を集めた。2回目の14年は東京と大阪で1日ずつ開催、計2万4000人が来場している。武道館の最大収容人数は2万人。コンサートの回数も増やすことでさらなる集客増を目指している。
初音ミクは歌詞とメロディーを入力すれば、声優の声であらゆる曲を歌わせることができるクリプトンが販売するソフトウエア。目が大きく、水色の長髪の美少女キャラに自在に曲を歌わせることができる。
ヤマハの歌声合成技術「ボーカロイド」を使って8年前に発売したが、非営利使用であれば、自由に利用できるようにした。このため、自作の曲を初音ミクに歌わせた動画が、インターネット上で多く発表され、人気が高まった。
23日には生放送の音楽番組にも「出演」する。昨年も米国で音楽番組に出演。バーチャルなキャラクターながら、活躍の場を海外にも拡大してきた。クリプトンでは指揮者に合わせて歌うことができるようにするなど、ソフトとしての初音ミクの技術も高めている。音楽ソフトの側面と、キャラクタービジネスの両面から、展開を拡大する方針だ。
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