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安倍首相、国会開会中の平日に異例の大阪市訪問 橋下氏との友好アピール
安倍晋三首相は4日、大阪市を日帰りで訪問した。国会開会中の平日に首相が大阪入りするのは異例だが、首相には新党結成を目指す大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長との友好関係を強調する狙いがあった。自民党総裁選後の中長期の政権運営を見据えれば、政治思想が近い橋下氏の存在は欠かせないからだ。
「維新の党は対案を出した。私は評価する」
大阪市を訪れた首相は地元の読売テレビのワイドショーに生出演し、安全保障関連法案の対案を出した維新をこう持ち上げた。司会の宮根誠司氏が維新の分裂騒動を念頭に「何やってんねん、橋下徹みたいな感じだが」と指摘したが、首相は苦笑いしながら「議論を深めるには対案を出すことがとても大切だ」と橋下氏をかばった。
首相の大阪滞在中、橋下氏ら大阪維新幹部との接触はなかった。だが、わざわざ大阪まで足を運べば、橋下氏との親密ぶりを強く印象づけられる。首相としては、会期末の内閣不信任案をめぐる対応で、新党参加の意向を示している維新の党議員を取り込み、野党の一致結束を崩したいところ。新党結成後も来夏の参院選やその後の憲法改正などの際に“親安倍”勢力として協力を得たい考えだ。