大悟の店 マ・シェリ・シュ・シュ

<横浜編>のメインセットの一つであるフランス菓子店「マ・シェリ・シュ・シュ」は、22歳から10年間フランスに渡り、ロベール幸枝の店でパティシエ修業した大悟のこだわりの店であり城でもあります。
美術チームはデザインする上で、希が暮らしていた能登の古き良き日本家屋の桶作家と対比をつけるために、横浜らしい異国情緒を大切にしながら、西洋文化と開放感のある空間にするとともに、横浜の小高い丘の上にある大きな洋館の一部という設定にしました。
店の規模や必要な設備などは、大悟と同年代のパティシエの方が営むお店をいろいろリサーチし、製菓指導の辻口博啓さんのアドバイスをもとにデザインしました。

店の顔であるケーキを、空間の主役に。
店の主役であるケーキは、アイランド型ショーケースに並べて中央に配置。
横浜らしく近隣に建ち並ぶ洋館のたたずまいがガラス越しに見えるように、透明感と開放感のあるお店にしました。

大悟のケーキに対するこだわりと従業員数から、1日に作って販売できるケーキの種類や数、定番商品の品揃えなどを決めている。
テーマカラーは、紺と金。
男性のオーナーシェフが経営するフランス伝統菓子の店ということで、フランス文化の重厚さと大悟の厳格さをイメージして、「紺」と「金」をテーマカラーに決定。店のロゴや内装、パッケージや小物類、大悟が着るパティシエ服も、紺と金を基調に揃えました。

パッケージやロゴシールもテーマカラーで統一。
手提げ袋やケーキBOXのロゴは、高級感がでるように金色の箔押しになっている。
大悟の戦場“厨房”は、緊張感のある空間に。
厨房は、大悟にとって戦場であり、パティシエ修業中の希にとっては、たくさん悔しい思いをする場所。そこで、全体の色彩はテーマカラーである「紺」の壁紙にステンレスのシルバー、照明も蛍光灯の青系の光にして寒色系でまとめ、デザインは直線と円で構成された緊張感のある空間にしました。

ケーキを作る厨房の主役・オーブンは、約1トンある業務用を設置。来店したお客様からも良く見える一番いい場所に配置しています。
厨房の中心にある作業台は大理石の円卓にして、芝居がしやすい動線を確保。

洋館らしさを演出。
テラスの奥には、小さな噴水やガス灯を思わせる外灯がある。

ステンドグラス
店の装飾でアクセントになっているステンドグラスのロゴは、大悟と一緒に店をはじめた亡き前妻の面影として飾られている。