中国軍事パレード:韓中蜜月、対米・対日関係への影響は

朴大統領の首脳外交

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、6回目の韓中首脳会談と中国の抗日戦争勝利70周年軍事パレード出席で今年後半の首脳外交のスタートを切った。10月にワシントンで韓米首脳会談が開かれるほか、今回の韓中首脳会談で合意したように、韓中日3カ国による首脳会談が10月末から11月に開かれれば、朴槿恵政権発足以降初の韓日首脳会談が実現する可能性もある。朴大統領としては、今回の訪中の成果に基づき、米日など伝統的な友好国との関係をめぐって一部で高まった懸念を解消することも求められる。

 朴大統領は今回の軍事パレード出席を通じ、韓中首脳間でこれまでにない親密感をアピールした。また、北朝鮮問題での協調、韓中自由貿易協定(FTA)の早期発効などを通じ、安全保障面と経済面でいずれも戦略的パートナーシップ関係を固めたと評価されている。特に韓国政府は習近平国家主席が「国連安保理の(対北朝鮮)決議は忠実に履行されるべきで、緊張を高めるいかなる行動にも反対する」と述べたことを重視している。「韓中首脳が北朝鮮の戦略的挑発(長距離ミサイル発射)の可能性に明確に事前警告を発したのは初めて」(韓国外交幹部)だ。

 今回の会談で合意した6カ国協議再開に向けた動きは既に始まっている。韓国の首席代表を務める黄浚局(ファン・ジュングク)韓国外交部(省に相当)韓半島(朝鮮半島)平和交渉本部長は首脳会談の前日に中国入りし、中国の首席代表である武大偉・韓半島問題特別代表と意見交換した。来週には中国の次席代表である肖千・韓半島問題副代表がソウル入りし、続いて黄本部長がワシントンに向かう。

 韓国外交筋は「6カ国協議再開の条件をめぐり、意見が対立してきた米中間で韓国が意見調整に乗り出した構図だ。韓中首脳会談がどれだけ生産的なものだったかはすぐに分かる」と説明した。

 韓国政府は朴大統領訪中の成果を韓米日3カ国の外交に当てはめ、北朝鮮問題と北朝鮮核問題で進展を狙う立場だ。今月末の国連総会に合わせ韓米日による外相会談の実現を目指すのもその一環だ。

 これに先立ち、朴大統領は訪中直前に尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官を米国に送った。「抗日をテーマにした今回の軍事パレードに対する米国の『冷たい視線』を意識したためとされる。しかし、米国政界には依然として否定的な見方が少なくない。韓国大統領府(青瓦台)は10月の韓米首脳会談を通じ、そうした懸念が払しょくできることを期待しているが、専門家の多くは「今回の訪米で容易には解決できない可能性もある」とみている。

 朴大統領は今回の訪中を通じ、これまで行き詰っていた日本との関係改善のきっかけもつかんだ。習主席との交渉で、韓中日3カ国首脳会談の開催に向けた約束を取り付けたからだ。米国も韓日関係の改善を望んでおり、うまくいけば韓米日の関係にもプラスに働く。

 慶熙大のチュ・ジェウ教授は「朴大統領が訪中を通じ、韓米日協力の主導権を握る可能性が出てきた」と述べた。しかし、そうした期待も日本政府の態度がカギになる。慰安婦問題に対する日本側の誠意ある姿勢がなければ、首脳会談を開いても実質的な関係改善につながりにくいとの見方が大勢だからだ。

李竜洙(イ・ヨンス)記者 , 北京=崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース