一方で今回の一連の行事が世界から支持されたとは考えにくい。日本は行事への参加を拒否し、米国、カナダ、ドイツから出席したのは北京駐在の大使で、英国、フランス、イタリアなど欧州の主要国は特使あるいは閣僚級の派遣にとどめた。そのため首脳クラスで参加したのはロシアのプーチン大統領と中央アジア諸国だけで、それ以外では国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長など11の国際機関の代表が参加しただけだった。その結果、朴大統領はこの日の行事に西側陣営から出席した唯一の国家元首になった。
韓国が6・25戦争で統一を実現できなかったのは中共軍が参戦したからだ。そのため韓国国内では朴大統領の行事参加に反対する声も根強かった。朴大統領の参加で韓中関係は間違いなく新たな段階へと発展したが、その一方で韓米関係をはじめとする他国との外交関係ではさまざまな面で影を落とし、それは間違いなく今後の不安要因になるだろう。われわれはこの点を決して見過ごしてはならない。
中国と共に北朝鮮問題を解決し、人的あるいは経済的交流を一層深めていくのは、この国の国運が懸かった大きな課題だ。しかし韓国が国際社会で中国崛起の宣伝の脇役として見られることは、間違いなく自滅の道を突き進む結果を招くだろう。それに加えて米国との同盟を強化しながら中国と戦略的協力の枠組みを広め、日本など周辺国との関係も正常化するという外交課題があらためてわれわれに突き付けられた。今後朴大統領と外交安全保障政策の担当者たちは、これらの問題の解決策を見いだしていかねばならない。