中国政府は3日、北京の天安門広場で中国の歴史上最大規模の軍事パレードを行った。パレードには1万2000人以上の兵士や500以上の戦車やミサイルなどさまざまな兵器、さらに200機以上の軍用機などが登場した。これらの兵器は全て中国で製造されたもので、うち84%は今回初めて外部に公表されたものだという。
パレードは中国政府が今年から新たに企画した「抗日戦争勝利および世界反ファシスト戦争勝利70周年行事」の一つとして行われた。中国政府はこれまで1949年から2009年までに合計14回の軍事パレードを行ったが、それらはいずれも中国共産党政府発足を宣布した10月1日の建国記念日に行われていたため、今回のように中国政府が9月3日に戦勝行事を行うのは今年が初めてだ。しかし実際に日本と戦ったのは共産党ではなく、共産党との内戦で敗れて台湾に逃れた故・蒋介石総統率いる国民党政府と軍だった。
それにもかかわらず習近平・国家主席が今回、戦勝70周年行事を大々的に行った最大の理由は、おそらく「強い中国の復活」を世界に誇示したかったからだろう。習主席は演説で「中国は今後、覇権主義や拡張を追求することはない」と述べ、また現在230万人いるとされる中国人民解放軍兵士の数を30万人減らす計画も明らかにした。しかし中国では軍の近代化を進めているため、現在のような大規模な兵力を持つ理由は徐々になくなりつつある。そのようなことを考えると、この日の記念行事は中国が今や地球上の大国になったことを祝う「大国崛起(くっき)記念ショー」というのが正確なところだろう。
中国を訪問中の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領はこの日、天安門広場でプーチン大統領の次の位置に立ち、戦勝記念行事と軍事パレードを見守った。北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の代理として参加した崔竜会(チェ・リョンヘ)書記は、2列目の右端にいた。6・25戦争(朝鮮戦争)直後の1954年に同じ場所で行われた軍事パレードでは、当時の北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席は毛沢東主席のすぐ隣でパレードを見守った。中国と北朝鮮は60年以上にわたり互いを「血盟」などと呼んできたが、これに対して韓国は中国と外交関係を結んでからまだ23年しかたっていない。ところがこの日のパレードでは大韓民国大統領が天安門広場の中心に立ち、中国人民解放軍の軍事パレードを見守った一方で、北朝鮮の存在感はほとんど感じられなかった。