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ハンガリー首相 難民流入で国境管理強化の方針
9月4日 5時42分

ハンガリー首相 難民流入で国境管理強化の方針
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中東から経済的に豊かなドイツなどを目指す難民や移民の経由地となっているハンガリーのオルバン首相は、EU=ヨーロッパ連合に対し域外との国境管理を強化して難民らの流入を抑える方針を伝えました。
ハンガリーには、ドイツなど経済的に豊かなヨーロッパ北部を目指して、中東やアフリカから多くの難民や移民が押し寄せていて、ことしは15万人に上っています。
こうしたなかで、ハンガリーのオルバン首相は3日、ベルギーのブリュッセルでEUのトゥスク大統領などと会談し、隣国セルビアとの国境にフェンスを設置したり軍の部隊を投入したりしてEU域外との国境管理を強化し、難民らの流入を抑える措置に乗り出すことを伝えました。
これに対してほかのEU加盟国などから批判が上がっていますが、オルバン首相は記者会見で「ヨーロッパに来れば受け入れられるというイメージを与えてはならない」と反論しました。
EU側は、紛争地からの難民については受け入れの拡大は避けられないとして、各国に受け入れの分担を求めていく方針ですが、ハンガリーのように東ヨーロッパ諸国を中心に反発が根強く、合意点を探るのは容易ではありません。

難民や移民が支援を訴え

ハンガリーでは、ドイツ方面に向かう列車が出発する駅の前におよそ1500人もの難民や移民がとどまり、支援が必要だと口々に訴えています。
ハンガリーの首都ブダペストでは、3日、難民や移民の駅への立ち入り制限が解除され、一時、多くの難民らがいっせいに列車に飛び乗る事態となりました。
難民らは、列車でドイツ方面を目指しましたが、ブダペストからおよそ30キロのビチケなどで強制的に降ろされ、警察が施設に移送しようとすると、線路にしがみつくなどして激しく抵抗しました。
さらに、この日はハンガリーから外国に行く列車の運行が取りやめられたことなどから、ブダペストの駅には今もおよそ1500人もの難民らが残っています。
駅では、多くの人が「ドイツに行きたい」と声をあげたり、「助けてください」と書かれた紙を掲げたりして、口々に支援を訴えていました。
一方で、難民どうしの小競り合いもたびたび起きていて、緊張が高まっているほか、多くの人が横たわっていて、疲れや不安感を募らせている様子もうかがえました。
シリアから来たという男性は、「ここには3日前からいる。道で寝て、毛布もなく、寒い。子どもや女性も苦しんでいて、悲劇だ」と話していました。
ヨーロッパでは、急増する難民や移民への有効な対策が急がれていますが、各国の立場に違いもみられ、事態改善の見通しは立たないままとなっています。

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