阪急春日野道駅周辺を歩く
阪急宝塚線沿いに在住していることから、神戸元町に所用があるときなど阪急電車を使うわけだが、たいてい急行とか特急列車に乗るので途中の駅は通過するだけである。中でも、神戸三宮駅の隣の「春日野道」(かすがのみち)という駅を通過するたびにひなびた商店街が見えて、いつかあの商店街を歩いてみたいものだと思っていた。
八月終わり頃の某日、調整のためか知らないが仕事が午前中で終了ということになり、昼からは晴れて自由の身になった。ふと "Any day now, any day now / I shall be released" という歌詞が頭に浮かんだほどである。ひょっとして、今日こそ春日野道駅周辺を散歩すればいいのではないか。だが、あいにく太陽光線は容赦がない。しばらく迷ったが、各駅停車の列車に乗っていた。
春日野道駅のプラットフォームに降り立つと、そのあまりの狭さに唖然とする。阪急電車にはもう一つ、「中津」というプラットフォームの狭い駅があるけれど、どっちがより狭いだろうか。春日野道駅で写真を撮影していると、急行列車が通過するので壁にへばりつくようにした。通過の際はトップ・スピードに近いため風圧もかなり強くて驚いた。
春日野道駅を出ると、「かすがの坂」という寂れた商店街らしき道を北上し、途中で「大日商店街」と交差しているようなので東へ向けて歩いてみる。本来は西のエリアを歩いてそのまま三宮へ向かうのがベストとわかっているが、せっかくだから歩いてみようではないか。だが、大日商店街の寂れようは相当なもので、開いている商店のほうが少ない。
昔、今よりももっとお宮参りが盛んに行われた時代には、この商店街もにぎわっていたのかもしれない。大日商店街を歩き終えると、元の道に戻って西へ歩を進めた。春日野道駅まで戻ってくると、今度は南下して「春日野道商店街」を歩いてみた。ここはまだ賑わいがあるほうだと思うが、三宮センター街などに比べると、やはり寂れている感じはぬぐえないように思えた。
春日野道商店街の終わりの辺りに来ると、横に交差する商店街があるので歩いてみる。葺合(ふきあい)センター街というアーケードのない昔ながらの商店街のようだけど、ここも半分以上はふつうの住宅になっているようだ。そのまま西に歩き続けると、かなりにぎやかな感じがする「大安亭市場」(おおやすていいちば)につながる。写真四枚目は大安亭市場の南の入り口から撮影したもの。
ここは惣菜屋とか八百屋、魚屋とか肉屋などが集中して集まっており、買い物客もかなりの数の人が歩いている。赤い色の漬物が多いことから想像するに、どうも大陸系というよりは半島系のようですね。それほど空腹ではなかったので控えておいたけど、空腹だったらコロッケなど買って歩きながら食べてしまいたくなるほどだ。それにしても暑いなあ。
せっかくだから商店街の中も撮影したかったのだが、今日はネクタイを付けており、どう見たって観光客には見えないんである。ネクタイをした男があれこれ撮影をしていると、いったいあんた何者なんだと胡散臭い目で見られるのは必定、なので写真機を向けることは控えておいたわけである。大安亭市場を出た所でさらに西に向けて歩く。
もうほとんど三宮まで来ていると思ったが、最後の最後で「二宮市場」とあるのが見えたので足を向けてみた。だが、ここもすぐ隣が三宮とはとても思えぬほど寂れていて、どこか田舎の町であるかのような錯覚に陥りそうになるほどである。公認の市場とあるけれど、ほとんどの商店は閉まっていて、開いているのはほんのわずか。何とも寂しい光景である。
JR三ノ宮駅前まで来ると〈にしむら珈琲〉があるのでよっぽど入ってアイスコーヒーでも飲もうと思ったが、今日は少し歩きすぎた。ずいぶんと汗をかいたような気がする。もっとこう、なんというか喉を思い切り潤すような何かを、体が欲しているように思うのだ。立ち飲みでさくっと一杯、というパターンがいちばんなんだけど、三宮周辺の立ち飲みを知らない。
どうしたものかなあ、と阪急神戸三宮駅まで来てしまった。ちょっと休憩するか、と喫煙所で一服していると、眼の前に「ベルギービール」の看板が! おやおや、と思って近くに行ってみると、「ビールとから揚げ、枝豆のセット=950円」などとあるではないか。渡りに舟とはこのことだ、ちょうどふだんと違うビールが飲みたかった、まさにそんな気分である。
例のセットを注文し、ビールはヒューガルテンの生ビールにした。店の人が、これはサービスです、と殻付き落花生を置いてくれた。嬉しいじゃないか。殻をむきながらビールを飲んでいると、あっという間に減ってしまうなあ。だって喉が渇いているんだもの、仕方ないじゃないか。料理が出てくるのが少し遅めなので、来るころには一杯目のビールを飲み終わり、二杯目を注文することになる。
たぶんこれも計算ずくだと思うが、作戦にはまって悪い気はしない。二杯目はシメイのゴールドを頼んだ。シメイのレッド、ブルー、ホワイトは飲んだことがあるが、ゴールドはなかったからだ。一杯1000円以上するけれど、小売価格から類推するとさほど高いとは思わない。むしろ良心的なくらいだろう。料理を見ると、あっ、フライドポテトが付いている! これは想定外だったなあ。意外と分量があるじゃないか。
合計2300円くらいになったけど、腹はじゅうぶん膨れた。シメイなど飲まずにハイネケンあたりにしておくと、2000円以下で済むだろう。フライドポテトはないものだと思っていたので、この後、センタープラザの天賓飯店でラーメンだけ食べて帰ろうと予定していたが、その必要はなくなった。喉は潤い、腹は膨れた。たいへん満足して帰りの電車の中でまどろんだ。
八月終わり頃の某日、調整のためか知らないが仕事が午前中で終了ということになり、昼からは晴れて自由の身になった。ふと "Any day now, any day now / I shall be released" という歌詞が頭に浮かんだほどである。ひょっとして、今日こそ春日野道駅周辺を散歩すればいいのではないか。だが、あいにく太陽光線は容赦がない。しばらく迷ったが、各駅停車の列車に乗っていた。
春日野道駅を出ると、「かすがの坂」という寂れた商店街らしき道を北上し、途中で「大日商店街」と交差しているようなので東へ向けて歩いてみる。本来は西のエリアを歩いてそのまま三宮へ向かうのがベストとわかっているが、せっかくだから歩いてみようではないか。だが、大日商店街の寂れようは相当なもので、開いている商店のほうが少ない。
春日野道商店街の終わりの辺りに来ると、横に交差する商店街があるので歩いてみる。葺合(ふきあい)センター街というアーケードのない昔ながらの商店街のようだけど、ここも半分以上はふつうの住宅になっているようだ。そのまま西に歩き続けると、かなりにぎやかな感じがする「大安亭市場」(おおやすていいちば)につながる。写真四枚目は大安亭市場の南の入り口から撮影したもの。
せっかくだから商店街の中も撮影したかったのだが、今日はネクタイを付けており、どう見たって観光客には見えないんである。ネクタイをした男があれこれ撮影をしていると、いったいあんた何者なんだと胡散臭い目で見られるのは必定、なので写真機を向けることは控えておいたわけである。大安亭市場を出た所でさらに西に向けて歩く。
もうほとんど三宮まで来ていると思ったが、最後の最後で「二宮市場」とあるのが見えたので足を向けてみた。だが、ここもすぐ隣が三宮とはとても思えぬほど寂れていて、どこか田舎の町であるかのような錯覚に陥りそうになるほどである。公認の市場とあるけれど、ほとんどの商店は閉まっていて、開いているのはほんのわずか。何とも寂しい光景である。
どうしたものかなあ、と阪急神戸三宮駅まで来てしまった。ちょっと休憩するか、と喫煙所で一服していると、眼の前に「ベルギービール」の看板が! おやおや、と思って近くに行ってみると、「ビールとから揚げ、枝豆のセット=950円」などとあるではないか。渡りに舟とはこのことだ、ちょうどふだんと違うビールが飲みたかった、まさにそんな気分である。
合計2300円くらいになったけど、腹はじゅうぶん膨れた。シメイなど飲まずにハイネケンあたりにしておくと、2000円以下で済むだろう。フライドポテトはないものだと思っていたので、この後、センタープラザの天賓飯店でラーメンだけ食べて帰ろうと予定していたが、その必要はなくなった。喉は潤い、腹は膨れた。たいへん満足して帰りの電車の中でまどろんだ。