北京=倉重奈苗
2015年9月4日01時38分
3日に北京・天安門広場と周辺一帯で催された中国の軍事パレードで、米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)や海洋進出を支える海軍主力の空母艦載機などが初めて披露された。米軍のアジア戦略に対抗する軍事力を誇示する狙いがあるとみられる。
今回、中国軍の中でも最もベールに包まれている「第2砲兵」(戦略ミサイル部隊)の主力兵器が続々と登場した。射程1万2千キロを超え、米本土への攻撃が可能な大陸間弾道ミサイル「DF(東風)5B」が初めて公開されたほか、同じく米本土に到達する「DF31A」も披露された。
他国軍を中国周辺に接近させない「アクセス拒否、領域拒否」能力を支えるミサイルも登場した。尖閣諸島をはじめ、沖縄から台湾、フィリピンに至る第1列島線内にある米軍基地などが攻撃可能な「DF16」(射程1千キロ)や、「DF26」(同4千キロ)、はるか洋上の空母も攻撃できる「DF21D」などだ。
このほか、海空軍の最新鋭の兵器も際だった。海軍の主力戦闘機で、旧ソ連の空母を改良した「遼寧」に搭載される「殲15」が編隊を組んで初めてパレードで飛行。さらに総参謀部が開発を進め、空軍などに配備されている大型の無人機が初めて登場した。2013年9月に尖閣諸島周辺を飛行し、航空自衛隊のF15戦闘機が緊急発進(スクランブル)した無人機と同型とみられる無人偵察機「BZK005」が初めて披露されたほか、対地ミサイルを搭載した無人機「翼竜」も披露された。
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朝日新聞国際報道部
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