五輪エンブレム:「オリジナルと確信」…組織委、原案公表
毎日新聞 2015年08月28日 19時59分(最終更新 08月29日 02時35分)
2020年東京五輪の公式エンブレムが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴと似ていると指摘されたことを受け、大会組織委員会は28日、東京都内で記者会見し、エンブレム制作者、佐野研二郎氏の原案を示して選考過程を説明した。最終案は原案から2度の修正を経たといい、組織委の武藤敏郎事務総長は「原案は劇場のロゴとは別もの。オリジナルだと確信している」と独自性を強調した。
佐野氏の原案は赤い円が右下にあり「T」の文字が強調され、劇場ロゴの「L」を想起させるデザインではない。しかし、似ているデザインが商標登録されていたことで組織委は佐野氏に修正を依頼。次の案は全体の「円」が強調されていたため「躍動感がない」と再度修正を求めた。最終案は商標申請や登録に似ているものがないと判断して決定した。リエージュの劇場は商標登録していない。
エンブレムデザイン審査委員代表の永井一正氏は「劇場のロゴとは発想や造形が違い、グラフィックデザイナーから見ると全く違う」と述べた。
エンブレムは104点から3点を選び、審査委員の議論で決まったが、8人のうち1人は最終案に同意しなかった。
エンブレムを巡っては、劇場ロゴのデザイナーらが国際オリンピック委員会(IOC)に対し、使用差し止めなどを求める訴訟を起こしている。【浅妻博之】