【ソウル聯合ニュース】6月から7月にかけての中東呼吸器症候群(MERS)流行を受けて遠のいていた中国人の客足が、韓国に戻りつつある。
3日午後、平日の暑い時間帯にもかかわらず、ソウルの繁華街・明洞ではショッピングバッグを手にした中国人観光客の姿が目についた。コスメショップのそばでは店員が中国語で呼び込みをしており、店内のレジの前ではあふれんばかりに商品を入れたかごを手にした中国人客が列をなしていた。
ある店員は、中国人の客が2週間ほど前から増え出し、MERS流行前の水準を回復したと語った。実際、この店にいた7~8組の客は全て中国人だった。
一方、別のコスメショップの店員は、中国人客は増えつつあるもののMERS流行前の水準にはまだ届いていないと話した。
市内の免税店は明洞よりもさらに混雑していた。明洞エリアにあるロッテ免税店9階の化粧品売り場は立すいの余地もないほどで、特に「雪花秀」「ラネージュ」など中国人にもよく知られる化粧品カウンターの前には行列ができていた。買った商品を入れるためのスーツケースを引いている人の姿も見られた。
3カ月前にはほとんどの中国人客がマスクを着用していたが、この日は「MERS」と英語で書いて見せても、大半の中国人は「何のことか分からない」「見たことのない言葉だ」といった反応を示した。
スーツケースを手にショッピングをしていた20代の中国人女性2人は「元々は6月末に旅行を計画していたが、MERSのため延期した。もう安全だというニュースを見て、韓国を訪れた」と語った。
また、中国人観光ガイドだという女性は、ガイドとしての来韓は5回目だといい、「最初の訪問は韓国でMERSが初めて発生したときだったが、きょうはそのときと比べて中国人客がはるかに多い」と話した。