また会談で両首脳は「(韓半島において)緊張を高めるいかなる行為にも反対する」との点でも一致した。同じような文言は過去の首脳会談でも出たことはあるが、現時点でこの言葉を使えば、これは明らかに北朝鮮に対する警告と受け取ることができる。北朝鮮は先月、非武装地帯(DMZ)の韓国側に地雷を埋設し、これによって南北は一時、一触即発の緊張状態になった。その際、韓国が拡声器による宣伝放送に乗り出すと、北朝鮮は高官級協議を要求し、4日間の交渉の末に発表された文書の中で「遺憾」という言葉を明記することに同意した。ただ今後しばらくは南北間で対話が続いたとしても、北朝鮮はいつまた挑発行為を仕掛けてくるか予想ができない。しかも今月9日には北朝鮮の国家創建日、また10月10日には朝鮮労働党創建日を控えていることから、これらを前後した時期に4回目の核実験あるいはミサイル発射を行うことも考えられる。そのため上記の文言がこのような状況で発表されたということは、これは明らかに北朝鮮に対し「挑発的な動きは一切容認しない」とのメッセージを送ったことになる。
会談で朴大統領は習主席に対し、北朝鮮による地雷攻撃で南北の緊張状態が高まった際、韓中両国が緊密に連絡を取り合い、中国が建設的な役割を果たしたことに感謝の意を表した。中国政府としても、今後韓半島情勢が不安定化し、それによって中国に悪影響を及ぼすようなことは避けたいと考えている。そのため中国も今後、北朝鮮を無条件で擁護したり後押ししたりするようなことはしないはずだ。そのため北朝鮮も核兵器開発やミサイル発射実験を今後も引き続き強行すれば、それが結果的に自分たちに跳ね返ってくることをしっかりと理解しなければならない。