韓中首脳会談:1時間38分やりとり、誤訳のハプニングも

 習主席は「朴大統領の強いリーダーシップで韓国が中東呼吸器症候群(MERS)の事態に打ち勝ったことを祝いたい」とも述べた。習主席は朴大統領の訪中について、「来て下さり感謝している。またお会いできてうれしい。中国政府と人民を代表し、抗日戦争・反ファシスト戦争勝利70周年(記念行事)に出席されたことを熱烈に歓迎し、感謝する」と述べ、繰り返し謝意を表明した。

 首脳会談と昼食会では両国の外交、安全保障分野の中心人物が勢ぞろいした。中国からは王滬寧・中央政策研究室主任、楊潔チ国務委員(外交担当、チはたけかんむりに褫のつくり)、王毅外相が同席し、今回の会談を重視する姿勢を示した。通常昼食会では両首脳と同席者が向かい合うように着席するのが慣例だが、今回は並んで着席した。韓国大統領府(青瓦台)関係者は「深く内密の意見交換を行うためだ」と説明した。

 昼食会のメニューには朴大統領と習主席の写真が印刷された。朴大統領の写真の下には「以心伝心、無信不立」、習主席の写真の下には「繁栄創造、未来開拓」と書かれていた。「無信不立」は「信念がなければ立てない」という意味で、習主席が昨年7月に来韓した際に用いた表現だ。

 中国メディアは同日、朴大統領の訪中を主要ニュースとして伝えた。法制日報は朴大統領が軍事パレードに出席することに触れ、「韓中関係は新たなページを開いた」と評した。中国のネットユーザーは朴大統領を「ピアオジエ(朴姐さん)」と呼んで歓迎した。これは習主席の愛称「習大大(習おじさん)」と対になる表現だ。両首脳は今回を含め、これまでに6回の首脳会談を行った。就任以降、平均で5カ月に1回、習主席と会談した計算になる。

 一方、首脳会談の直後には習主席の発言が誤訳されるハプニングがあった。駐中韓国文化院による当初の翻訳には、習主席が「韓中関係が過去最高」と語ったという内容があったが、韓国大使館の最終翻訳資料ではその部分が削られた。大統領府関係者は「文化院に翻訳を依頼したが、意訳で一部誤りが生じたようだ」と話した。

北京=アン・ヨンヒョン特派員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース