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元作業員 原発作業の被ばくで発がんと提訴
9月1日 18時53分

東京電力福島第一原子力発電所で、事故のあとがれきの撤去に当たった札幌市の元作業員の男性が、その後、がんを発症したのは作業中に被ばくしたのが原因だとして、東京電力などに合わせておよそ6500万円の賠償を求める訴えを札幌地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、福島第一原発の事故のあと作業に従事した札幌市に住む元作業員の57歳の男性です。訴えによりますと、男性は平成23年7月から4か月間、原発の敷地内で重機を使ってがれきの撤去などに当たり、その後、平成24年から翌年にかけて、ぼうこうがんや胃がん、それに結腸がんを相次いで発症しました。
男性は、4か月間の被ばく線量が56.41ミリシーベルトに達したほか、放射線を測定する機器を外して作業を行うこともあり、安全管理の体制が不十分だったためがんを発症したなどと主張し、東京電力や撤去作業を請け負った建設会社など3社に対して、合わせておよそ6500万円の損害賠償を求めています。
弁護団によりますと原発事故の作業で被ばくしてがんとの因果関係を争う裁判は全国で初めてだということです。
高崎暢弁護士は、「今後廃炉に向けて何十年と作業が行われるなか、責任の所在を明らかにすることで、救済への道を開いていきたい」と話しています。
訴えについて東京電力は「請求内容や主張を詳しく聞いたうえで
真摯(しんし)に対応したい」とコメントしているほか、大手ゼネコンの大成建設は「訴状が届き次第内容を確認したうえで対応を検討したい」、また、下請けの山崎建設は「訴状が届いておらずコメントは控えます」とコメントしています。

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