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シリア3歳児の溺死写真が波紋、世界中が難民問題から目をそむけられなくなった(閲覧注意)

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※ 閲覧注意:この記事には遺体の写真が含まれます。

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トルコのリゾート地、ボドルムの近くで子供の遺体を運ぶ準憲兵隊員。2015年9月2日撮影。

9月2日に、トルコのリゾート地ボドルムのビーチに横たわる幼いシリア少年の写真が撮影された。写真は世界に衝撃を与え、ヨーロッパの難民危機でどれだけの多くの人が犠牲になっているかを浮き彫りにした。

この少年は、トルコの町ボドルムからギリシャのコス島を目指すボートに乗っていた。しかし、この乗っていたボートが転覆して、その後海岸に打ち上げられた状態で発見されたのだ。

トルコのメディアが、この少年をシリアのアイン・アル=アラブから来たアイラン・クルディ君(3歳)だと確認した、とロイター通信が伝えている。5歳になる彼の兄も、ボートが転覆した時に死亡したと考えられている。生存者によれば、4人の子供と1人の女性を含む少なくとも12人が死亡し、7人が救助された。

海岸に打ち上げられたクルディ君の体を、トルコの警察官が抱える様子も撮影されている。

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難民を乗せたボートがトルコ沖で転覆した後、海岸に打ち上げられていた少年の遺体を運ぶ。2015年9月2日撮影。

写真は、紛争を逃れてヨーロッパに向かう難民たちが、命の危険にさらされている現実を示している。

クルディ君の死に先立って、8月27日にはオーストリアの保冷トラックの中で71人が死亡しているのが発見された。こういった悲劇を受け、世界中の人権団体はヨーロッパ各国首脳に、適切な対策をとるよう求めている。

「戦火から逃れてきたシリア難民が安全に避難できる移動ルートを設ければ、こういった悲劇を防げます」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ・緊急対応部門ディレクターのピーター・ブッカー氏はハフポストUS版に語った。

「写真は、深刻な危機が起こっている現実をヨーロッパが受け入れられていないことを示しています」

シリア、アフガニスタン、そしてエリトリアといった国々から、毎日数千人がヨーロッパの国々への渡航を試みている。国際移住機関によれば、2015年だけで35万人以上の人々が地中海を渡った。

この問題に対するヨーロッパ各国の取り組みは、これまでのところバラバラで不十分だ。多くのEU(欧州連合)加盟国は、安全な移動ルートを設けたり、難民申請の準備をするどころか、難民を国のセキュリティを脅かす問題だと捉えて、壁を作ったり反移民法案を提案したりしてきた。

赤十字国際委員会は、9月2日に次のような声明を出した。 「難民には、危険を冒してギリシャやイタリアへ不法に旅する以外、選択肢がないのです。今年だけで約20万もの難民がギリシャへの逃れてくるだろうと考えられています。ヨーロッパの政策が変らない限り、さらに多くの人命が失われることは避けられないでしょう」

2015年に80万人の難民申請を受け入れる予定のドイツは、他国にも協力して難民を受け入れるようよびかけている。EU各国首脳は、9月14日に会合を開いて、具体的な方針を議論する予定だ。

過去1年の間にヨーロッパに流入した難民の数は急増しているが、ブッカー氏によれば、ヨーロッパに難民申請している人の数は、ヨーロッパ全人口の0.1%にすぎないという。

国際移住機関の前共同ディレクター、ハイン・デ・ハース氏は、ヨーロッパの難民危機は、この問題に対処する政策を作ることに失敗した、EUの政治的危機だと考えている。

「EUには5億人以上の住民がいます。それだけの人がいれば、この危機に対処し、難民申請できるように手助けできるはずです」

この記事はUS版に掲載された「This Photo Shows The Horrific Toll Of Europe's Refugee Crisis(この写真は、ヨーロッパの難民危機がどれほど深刻かを私たちに伝えている)」を翻訳しました。

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