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堀込泰三堀込泰三  - ,,,,,,,,,,  10:00 PM

さまよい人のススメ。いろんなことにチャレンジしてみたらいいんじゃない

さまよい人のススメ。いろんなことにチャレンジしてみたらいいんじゃない

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Crew:中世よりヨーロッパには、勉強を終えた若者が1年間の旅をして技能を磨く「Wanderjahr(ヴァンダーヤール)」という伝統があります。「さまよう1年」という意味で、専門を離れ、新しいものに触れ、見識を広める「さまよい人」の文化です。今風に言えば、ジェネラリスト(さまざまな分野に通じた人)を志向するということになるでしょう。

今回は、いろんなことにチャレンジするときの心構えやメリットについてお話ししたいと思います。


新しいことにチャレンジする人生


ピューリッツァー賞受賞の生物学者、エドワード・オズボーン・ウィルソン氏の逸話がきっかけで、私はこの伝統を知りました。ウィルソン氏は数年にわたり、さまざまな国を旅しながらアリを集めたり、熱帯雨林について学んだのちに、学者としての人生をスタートしたそうです。

私も「さまよい人」でした。大人になる過程で、追求したいものや燃えるような情熱を持ったことは一度もありませんでした。だから、ウィルソン氏の放浪を知って、うらやましくなってしまったのでしょう。

1年前から、「30日チャレンジ」を自分に課しています。これは、毎月新しいテーマに挑戦するというものです。瞑想、縫い物、ギターをやってみました。グルテン、乳製品、砂糖の摂取はやめることにしました。毎日15分の筋トレは日課になりました。明晰夢を見てみようとしたり、冷たいシャワーでより健康になろうとしてみたりもしました。ひどい内容でしたが、小説も書いてみました。

少し健康になり、生産性は高まり、クリエイティブになったと思います。

執筆という新たな趣味も見つけることができました。毎日ブログを書き、出版に向けた執筆を行っています。書けば書くほど、もっとうまく書きたくなります。私は、書くことへの情熱を探してさまよっていたのかもしれません。

ところで、「30日チャレンジ」を続けるのをやめ、執筆に専念したら、私は文章を書くのがもっとうまくなるのでしょうか? それとも、一見執筆と関係ないようなチャレンジを続けたほうが、クリエイティビティは高まるのでしょうか?


ジェネラリストとスペシャリスト、あなたはどちらか


クリエイティブな仕事、ビジネス、起業には、自制心と集中力、忍耐力が求められます。私はそのどれひとつとして持ち合わせていませんでした。だからこそ、「30日チャレンジ」を続けているのです。小説の執筆で自制を学び、裁縫によって集中力を養い、筋トレで忍耐力を鍛えているつもりです。

スティーブ・ジョブズは、大学を中退し、本当に興味のあったシェークスピア、モダンダンス、カリグラフィのクラスに潜り込んだそうです。東洋哲学と仏教の本を読み漁り、インドで数カ月暮らしたのち、Appleを創業しました。

エリザベス・ギルバート氏は、イタリア、インド、バリ巡礼の旅を『食べて、祈って、恋をして』につづり、ベストセラー作家になりました。

大学に入る前の若者は、ギャップイヤーを取ります。大学教授には、1年間のサバティカル休暇が与えられます。アーミッシュには、16歳で親元を離れて生活するラムスプリンという伝統があります。

「さまよう1年」は、ヨーロッパだけの伝統ではなく、さまよい、多くのものに触れる時間を求める人たちが世界中にいるのです。いわゆるジェネラリスト(さまざまな分野に通じた人)ですね。

一方で、洗練された技術を得るために激しいトレーニングや厳しい訓練を課すのも、有効なやり方です。コービー・ブライアント氏は、何時間もかけてジャンプシュート800回をしてからバスケットボールの練習を始めることで有名です。オリンピック体操選手のジョーディン・ウィーバー氏は、4歳から1日5時間、週に6日の練習を続けたそうです。1万時間の法則もまた、真実なのでしょう。ある道でスペシャリストになるには、一貫して真摯に取り組んだ数年、いや数十年が必要なのです。

ジェネラリストにはジェネラリストの、スペシャリストにはスペシャリストのサクセスストーリーがあることは、皆さんもよくご存知のはずです。私自身はジェネラリストになりたいと思っているので、ここではジェネラリストを目指すための心構えをご紹介することにしましょう。


チャレンジがもたらす効果


ジェネラリストになるためには、新しいことに挑戦し、慣れない仕事に忍耐強く取り組まねばなりません。『Crew』の編集者であるJory MacKay氏は、難題や行き詰まりに直面したら、初心に帰って謙虚になり、直感を信じてみることを勧めています。だから、自分の進みたいと道から外れているように思えても、挑戦してみてください。新しいことへの挑戦には次のようなメリットがあるのです。


1. 新たな問題を解決するとクリエイティブになる

今日では、スポーツの英才教育が一般的になっています。子どもは1つのスポーツに特化しようとし、親は1万時間の練習を達成させようと必死です。

ところが、さまざまな分野に触れて育った子どもほど、クリエイティブな決断とパターン認識がうまくできるという統計が出ています。独自のアイデアや思考を作品に注ぐためには、新しいイノベーティブな方法でアイデアをつなげる能力が必要です。

本や趣味を通してさまざまな体験をすることで、自分の考え方の古さに気づいたり、ものの見方に疑問を抱くことができます。新しい可能性や考え方が開けてくるでしょう。バスケットボール選手のコービー・ブライアント氏がサッカーをして育ったことや、アインシュタインがバイオリンを弾き続けていたことを思い出してみましょう。

サンフランシスコ州立大学の研究では、個人的な趣味や興味を追求している人ほど、仕事をうまくこなすことが示されています。350人を調査した結果、クリエイティブな活動によく参加していると答えた人は、たまにしか参加しないと答えた人よりも、パフォーマンスランキングで15%から30%高いスコアをたたき出したのだそうです。


2. さまざまな仕事を経験することで他人の気持ちがわかるようになる

Dell創業者のマイケル・デル氏は、皿洗いをしていたことがあります。バークシャー・ハサウェイ会長のウォーレン・バフェット氏も、少年時代に新聞配達をしていました。Netflix創業者のリード・ヘイスティングス氏は、訪問セールスマンでした。汚い仕事、長時間勤務、クレイジーな上司...そんな環境に身を置くことで、謙虚さが身につき、共感力が鍛えられ、他人とつながれるようになるということでしょう。

活躍の舞台が重役室に変わっても、彼らは学ぶことをやめていません。成功者の多くが、自らの成果を読書のおかげと述べています。作家のHarriet Rubin氏は、トップクラスCEOたちの本棚を取材して、「真のリーダーは真の読書家であり、思考術専用の本棚を持っている」ことを発見しました。幅広い話題を追求することで、リーダー、イノベーター、コミュニケーターとしての自分を磨き続けているのでしょう。

近年、アメリカではアルバイトをする高校生が減っているそうです。統計によれば、1990年は高校生の32%がアルバイトをしていたのに対し、2012年には16%に低下しています。さまざまな経験をする機会が減り、広い視野を持てなくなっているかもしれません。

客や同僚が何を求めているかを知り、他人とのコミュニケーションできる能力が「生きる力」ではないでしょうか。


3. 慣れない仕事は自制心を育てる

「30日チャレンジ」は、いつも慣れない仕事への挑戦でした。つらい思いもしましたが、非常に多くのものを得られたと思っています。

忍耐力は重要です。立ちはだかる障害や調子の悪い日を乗り越えられれば、いずれ成功を手にすることができます。慣れない仕事に忍耐強く取り組むことで、成功に必要な自制心が養われるのです。


4. 新しいことに真剣にチャレンジすると、集中力が高まる

著名な心理学者であるミハイ・チクセントミハイ氏によると、いちばん幸せな人とは、ずっと集中して物事に取り組める人だそうです。ずっと集中できるということは、楽しいこと、チャレンジ、モチベーションを高めてくれることに取り組めている状態だからです。

何かに本気で取り組んでいるときは、自分のエネルギーと注意力をうまく使うことができます。退屈や燃え尽きることとも無縁です。

自分の追求したい分野以外をあえて追求することで、雑念が払われ、ひとつのことに集中する能力を高められるでしょう。


5. チャレンジをクリアすると自信が高まる

先日、娘たちのために縫っていた寝間着が完成しました。私がゼロから作った服を着てくるくる回る娘らを見たときの満足感といったら、言葉では言い表せません。ミスも多く、とても褒められた出来ではありませんが、そんなことはどうでもいいのです。だって、その30日前までは、針を持ったことすらなかったのですから。

創造や挑戦を乗り越えると、はかりしれないほどの満足感を覚えるものです。「次は何に挑戦しよう?」とわくわくせずにはいられなくなりますよ。


学び続けよう


多様なものに触れ続けていれば、脳内のつながりが強化され、頭が柔らかくなります。


受け身では、何事も実を結ばない。経験も行動も乏しく、脳の回路はろくに使われず、死滅してしまうからだ。状況をどれほどコントロールできるかを知り、高みに達しようとしなさい。行動をとおして。

── 『マスタリー』ロバート・グリーン著より


学びたいことがあるのではありませんか? 始めるための理由が見つからなかったのではありませんか? チェロ、ガーデニング、料理、Photoshop、サルサ、なんでもいいのです。これまでに記した5つの理由で、あなたの背を押すことができたのなら、嬉しいかぎりです。

新しいことを追求しているうちに、どんなことでも、素早く、スマートに、しかも上手にこなせるようになると思いますよ。


The art of wandering | Crew Blog

ROSANNA CASPER(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.

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