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【橋下市長公開書簡】
全文和訳(2) 韓国側の態度の変更と、確たる事実と思わせる巧みな論理展開
〈ただし日本の事例のみをとりあげることによる矮小化は、世界各国の問題解決につながらない〉
一方で、戦場の性の問題は、旧日本軍だけが抱えた問題ではありません。第二次世界大戦中のアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍、ドイツ軍、旧ソ連軍その他の軍においても、そして朝鮮戦争やベトナム戦争における韓国軍においても、この問題は存在しました。
世界各国の軍でも同じ問題があったことを理由に旧日本兵の慰安婦問題を正当化しようというような意図は毛頭ありませんが、戦場の性の問題を旧日本兵のみに特有の問題であったかのように扱い、日本以外の国々の兵士による女性の尊厳の蹂躙について口を閉ざす限り、世界が直視しなければならない過去の過ちは正されず、今日においても世界の様々な地域において報告されている兵士による女性の尊厳の蹂躙問題は解決されないでしょう。そのことを私は何より懸念するのです。
〈日本が特異であると言われていることへの反論〉
日本が特異であると言われている理由として二つのことが考えられます。韓国側の態度の変更と、間違った認識をあたかも確たる事実と思わせる巧みな論理展開です。
第一に特に韓国側の態度の変更があります。日本と韓国の間では、日韓基本条約と日韓請求権並びに経済協力協定で植民地時代のことをすべて解決したはずなのに、韓国側は最近になって慰安婦問題は協定に入っていないと言い出しました。