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【日本の議論】
水っぽいカレー、プリンは箸、洗髪は水…世間の常識は刑務所の非常識 矯正局「そんなにまずくない!」
「カレーが水っぽい」「プリンには箸」…。全国の刑務所などに収容される6万人以上の受刑者たちの不満の内容が、有識者からなる「刑事施設視察委員会」の活動報告(平成26年度分)で明らかになった。食事や風呂など生活に密着した意見が多く、“壁の中”と外の生活環境の差異が際立つ。法務省矯正局は「施設ごとの受刑者の特質や設備の違いに応じて、処遇に差が付いてしまうところもある」としているが、視察委員会が出した意見の7割に前向きな反応をみせている。
「箸でグリグリかき混ぜて飲む」
「受刑者の最大の関心事」といわれる“食事”への注文が、視察委員会の報告では特に目立っている。
帯広刑務所では、「プリンやヨーグルトを出すときはスプーンを貸与するよう要望する」という意見があった。スプーンがなければ、食事用の箸で食べるしかない。元矯正局員によると、「箸でグリグリ回した後、カップに口をつけてグッと飲んでいる」という。