「習大大(習おじさん=習近平国家主席)、なぜ左手?」。習氏が天安門広場前で閲兵を始めると、すぐに中国のインターネット上で疑問の声が広がった。軍の敬礼は武器を扱う利き手である右手を使い、相手に敵意がないことを示す意味があるとされるが、習氏が左手で兵士に「敬礼」したように見えたからだ。
当局側の反応は素早かった。共産党機関紙・人民日報がすぐに短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」で「カメラの角度に問題があっただけで、実際は兵士に手を振っていた」と説明。ネット上では「左」を尊ぶという老子の言葉まで持ち出し、「中国の文化は奥が深いのだ」と言い張る“解説”も飛び出した。
軍事パレードは中国の国威を世界に示す一大イベントなだけに、習氏のメンツを少しでも傷つけかねない話題の火消しに当局側も躍起のようだ。(北京=大越匡洋)
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