建畠晢新学長就任のお知らせ

五十嵐威暢学長の任期満了にともない、建畠晢新学長が就任いたしました。
建畠晢新学長のプロフィールは、以下のとおりです。

多摩美術大学 学長 建畠 晢 TATEHATA Akira

建畠 晢

TATEHATA Akira

第10代多摩美術大学学長 2015年~
美術評論家

1947年
京都市生まれ
1972年
早稲田大学文学部仏文学科卒業
1991年~
多摩美術大学美術学部芸術学科助教授
1995年~
同教授
2005年~
同客員教授
2005年~11年
国立国際美術館館長
2011年~15年
京都市立芸術大学学長
2011年~
埼玉県立近代美術館館長

専門は近現代美術。「ヴェネチア・ビエンナーレ」日本館コミッショナー(1990、93年)、「横浜トリエンナーレ」第1回展(2001)アーティスティック・ディレクター、「あいちトリエンナーレ2010」芸術監督など、多くの国際美術展を組織し、アジアの近現代美術の企画にも多数参画。また詩人としても活動している。

おもな著書

  • 詩集『余白のランナー』(1991年、思潮社)第2回歴程新鋭賞受賞
  • 詩集『そのハミングをしも』(1993年、思潮社)
  • 詩集『パトリック世紀』(1996年、思潮社)
  • 美術評論集『問いなき回答 オブジェと彫刻』(1998年、五柳書院)
  • 美術評論集『未完の過去 絵画とモダニズム』(2000年、五柳書院)
  • 詩集『零度の犬』(2004年、書肆山田)第35回高見順賞受賞
  • エッセイ集『ダブリンの緑』(2005年、五柳書院)
  • 詩集『死語のレッスン』(2013年、思潮社)第21回萩原朔太郎賞受賞

学長メッセージ「新たなる発展に向けて」

多摩美術大学は、今年で創立80周年を迎えます。美術系大学としては教育体制においても施設面でも最も充実した内容を有すると自負している本学ですが、現在の姿に至るまでには、幾多の試練を乗り越えなければなりませんでした。しかし、いかなる困難な状況にあっても我が国の美術の流れの中核を担い、また国際的に雄飛する綺羅星のような才能を輩出し続けてきたということを私たちは記憶に刻み、自らもまたその栄光の伝統の次のページを開くのだという気概を持って、多摩美術大学のさらなる発展を推し進めようと決意を新たにしています。
もちろん大学を取り巻く環境は決して平穏なものではありません。昨今の世界では、さまざまな不寛容な思想が台頭し、地域紛争や自然災害も相次いでいます。だが私たちはこうした時代であるからこそ、本学の果たすべき役割は一層重要なものであるに違いないと考えています。美術はそれ自体として価値があると同時に、人々の想像力を豊かにし、融和的なコミュニケーションの輪を広げ、社会を文化的多様性に対して開かれたより寛容なものにする力があるはずなのです。
しかし、いかに正しい目標でも、それを現実の条件の中で成果に結び付ける柔軟な対応力がなければ、理念倒れで終わってしまうにちがいありません。本学がPBL(Project Based Learning)教育に全学的に取り組んでいるのは、どのような状況においても適切に実力を発揮できる課題解決能力の育成をはかろうとしているからなのです。
多摩美術大学は見方次第ではアートの道を目ざす者たちが集う親密なるコミュニティといえるかもしれません。創立以来本学が掲げてきた〈自由と意力〉というモットーは、志を共有する若者たちを鼓舞し、創作や研究活動への積極的な取り組みを誘い、また社会に羽ばたいてからの活動の支えともなることでしょう。80周年という記念すべき節目の年を迎えて、多摩美術大学はいま新たなる発展に向けての第一歩を踏み出そうとしているのです。

掲載日: 2015年4月1日(更新:2015年4月28日)