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 撤回された2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムを作成したデザイナーの佐野研二郎氏(43)が作った京都市の老舗扇子店の広告デザインが、秋田県で開かれた団扇(うちわ)展のチラシに似ていると、インターネット上で話題になっている。

 問題の広告デザインは、マガジンハウスが12年5月24日に発売した雑誌「Hanako」の企画「佐野研二郎のいきなりポスター、つくっちゃいました!」に掲載された。扇子店「京扇堂」(京都市下京区)の広告で、水色の「涼」の「口」の部分に、京扇堂の商標と扇子があしらわれている。

 一方、同年6月に横手駅前商店街振興組合などが主催した「デザインであそぼう第3弾 団扇展」のチラシにも似たデザインが描かれている。制作した地元デザイナーが、雑誌の発売前に自身のブログに掲載していたという。

 京扇堂東京店(東京都中央区)によると、同年5月に出版社から依頼があり、商標の利用を了承したという。同社は実際の広告には使っていないが、ブログで「佐野研二郎さんに、当店のポスターを作っていただきました!嬉(うれ)しい!」などと紹介している。担当者は「確かにそっくりだが、もう3年も前のこと。問題にするつもりはなく、ブログからも削除しない」と話している。(岡本智)