ランチ後に昼寝をすると、血圧が下がり心臓病のリスクが軽減することが明らかに

2015年09月02日 15時18分

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123RF
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昼食をとった後は、思わず眠くなってしまうもの。そんな時は少しうたた寝した方が、健康のためには良いとする研究結果が報告された。

うたた寝をする人は血圧が低下

これが発表されたのはロンドンで行われた「European Society of Cardiology(心臓病学)」の年次会合において。

研究に携わったのは心循環系の研究者たち。彼らは平均61.4歳の血圧が高めの人、386人をモニター。うたた寝の血圧に対する効果や影響を調べた。

その結果、日中にうたた寝をする人は、しない人に比べて血圧が1日24時間を通して5.0%減ることが判明。同時に動脈や心臓がダメージを受ける度合が低いことも分かった。

健康的なうたた寝の長さは約1時間

ギリシャにあるAsklepieion Voula General Hospital病院のManolis Kallistratos博士によれば、一見うたた寝による血圧低下の割合が少ないように見えるかもしれないが、この結果は低いレベルでさえ心臓病のリスクが減るという以前の研究を裏付けているという。

また今回の研究では、最も健康的とされるうたた寝の長さは約1時間であること、深夜に長く睡眠をとる人ほど多くのメリットがあることも分かった。

Kallistratos博士は報告の中で「9時から5時まで働き、激しい仕事を日常的に繰り返している現代においては、うたた寝はほとんど権利ともいえる習慣です。(略)その結果、血圧を下げるための薬の必要性も少なくなるでしょう」と語っている。

スペインで行われているシエスタ

スペインではシエスタといって食事の後に昼寝をする習慣があり、午後3時ごろにはオフィスや商店も一斉に休業時間に入るという。

過去のさまざまな研究では、この習慣には血圧を下げ心臓病のリスクも減らし、免疫力を向上させ、糖尿病や肥満を予防する効果があると言われてきた。

またフランスでもシエスタを奨励している職場が増えているとされる。医療費削減が求められる中、日本でもこのような制度を導入する企業が増えることに期待したい。

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