高齢者の被害が後を絶たない特殊詐欺を家庭で話題にしてもらい被害防止を図ろうと、兵庫県警は手口の特徴や注意点を漫画で解説した小学生向けの冊子「振り込め詐欺撲滅!劇場」を作った。県内の小学生約30万人に配られる。
漫画は、人気アニメ「忍たま乱太郎」のキャラクターと、県警の広報紙を担当する県民広報課の川久保洋子巡査部長(32)考案のオリジナルキャラが登場。高齢夫婦宅に「電話番号変えたよ。カゼひいて声変わってん」と息子をかたる男から電話があり、「仕事で失敗した。宅配便かゆうパックでお金を送ってくれ」と頼まれる。おじいさんは送ろうとするが、粘り強く警察への相談を勧めるおばあさんに根負けし、通報すると、おれおれ詐欺と判明。刑事と協力し、犯人を捕まえる-という物語だ。
冊子では「『誰にも言わないで』は詐欺」「知らない人からの電話は家族に相談してね」などと助言。川久保巡査部長は「おじいちゃん、おばあちゃんと話題にしてもらうことで、1件でも減れば」と期待する。
県内の多くの小学校で始業式があった1日、神戸市垂水区の多聞東小では防犯講話の後、垂水署員らが児童に冊子を手渡した。(初鹿野俊、秋山亮太)