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韓国軍、南北高官接触時にGOPに飛来した北の無人機取り逃がす
2015年09月03日09時46分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
| 2013年10月に江原道三陟の山中で発見された北朝鮮軍の無人航空機(中央フォト) |
合同参謀本部によると先月22日午前11時59分ごろに未確認飛行体が現れた。当時韓国軍は北朝鮮軍の攻撃威嚇により対北朝鮮警戒態勢を最高水準の「ウォッチコン2」に引き上げた状態だった。軍関係者は「中東部戦線上空の状況を監視するレーダー上に未確認物体が北から南へ移動する軌跡が捉えられすぐに対空警戒態勢を発令して『適性宣言』をした」と明らかにした。適性宣言は敵国のものと推定される航空機に対し攻撃しても良いという一種の撃墜命令だ。
韓国軍は周辺を飛行中だったKF-16戦闘機とF-15K戦闘機、陸軍のAH-1S攻撃ヘリなどを現場に投じた。しかし飛行体がすぐに北上したため撃墜はおろか実体を確認するのにも失敗した。問題はこうした状況が金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長と黄炳瑞(ファン・ビョンソ)北朝鮮軍総政治局長の南北高官接触(22日午後6時30分~25日0時55分)が開かれていた23日と24日にも同じ地域で起きたという点だ。軍当局者は「気象状況が良くなく、DMZ内に1~2分だけとどまり軍事境界線を越えたため攻撃は容易ではなかった」と話した。同当局者は「無人機は地対空バルカン砲の射程距離を超える高度で飛んでおり、休戦協定により非武装地帯での射撃も制限される。飛行体に向かってミサイルや砲を撃ち当たらない場合には砲弾が北朝鮮側に飛んで行き北朝鮮側に挑発の口実を与えかねない点も考慮した」と説明した。
実体を確認できなかったが軍は飛行体が北朝鮮軍の無人機である可能性が高いという点は認めている。軍関係者は「時々鳥の群れがレーダー上に捉えられるが飛行体が低い高度で一定の速度を見せた点を考慮すれば鳥の群れとは明らかに違った。韓国軍の動向を把握するために送った北朝鮮の無人機と推定される」と話した。
北朝鮮の無人機は昨年青瓦台(チョンワデ、大統領府)上空まで接近し多様な写真を撮影して復帰途中に京畿道坡州(キョンギド・パジュ)に墜落したケースがある。当時韓国軍は無人機浸透の事実自体を認知していないほどだった。今回は軌跡を把握して対応に出たがDMZ南側GOP(一般前哨)まで飛行体が接近し何度も浸透を繰り返したのに実際の姿すら確認できなかった。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は無人機に爆薬を積んだ無人攻撃機の運用を増やすよう指示するなど無人機を非対称戦力(相手方よりはるかに多く保有した能力)として活用しようとする姿を見せている。韓国軍関係者は「北朝鮮軍が無人機を利用した挑発を試みるかも知れないという点から近く局地防空レーダーを持ってきて観測能力を高めるだろう」と話した。