ジャーナリストのブログ

新聞記者として、「オウム真理教事件」をはじめ、事件、事故、災害などを20年近く、追い続けてきました。このブログでは、ニュースを分かりやすく解説していきます。また、私は「双極性障害」の当時者ですので、メンタルな話題も時には触れていきます。


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ここ数カ月、ギャンブル系(主に、パチンコ、パチスロ)の集客の仕事を頼まれ、このブログも放置状態でした。


1992年と記憶していますが、私が事件記者として、東京本社に在勤していた時、パチンコの偽造カード事件がありました。


私は、基本、ギャンブルはやりません。麻雀もチートイツぐらいの役しか分かりません。公営ギャンブルも全く興味なし。ただ、パチンコは大学1年の時、ものめずらしさもあって、バイトの給料で打ちました。


3000円もっていかれた時、あまりにもバカらしくなって、思いました。「こんなバカみたいなものに金をつぎ込むのは、本当にバカだと」。だから、スロットを初めて打ったのは、今年の3月です。


まあ、そういう下地しかないのに、上記の事件の時、お世話になったパチンコ攻略会社(老舗、といえば勘のいい人は分かるでしょう)に取材に行って、あらいざらい教えてもらいました。おかげで、特ダネいっぱい書かせてもらいました。


その時の縁があって、そこの社長とは細々とつきあいがありました。昨年12月、その社長がただならぬ声で、携帯に電話をよこしました。


「熱海さん、まじめにここ数ヶ月、やばい。客の問い合わせ自体来なくなっていて、最悪、店をたたむ」


「あんた(私)に電話したのは、ほかでもない、あんたのブログを見て思ったんだけど、起死回生の一発を狙うのは、あんたに頼むしかないんだよ」


(私)「でも、ブログ云々はいいんだけど、いったい、何をすればいいんですか?」


(社長)「とりあえず、問い合わせがこないとまず、ダメ。だから、その上をいくには、集客が必要なわけ。この業界、狭い社会だから、新規参入業者には圧倒的に不利。だけど、あんたのレイアウト・デザイン。それと筆力があれば、何とかなるかも知れないと思ったわけ」


(私)「でも、それって、いわゆるゴトでしょう。私はパチンコもパチスロも全く興味ありません。確かに、売るのは違法性はないにしても、私はこれでもジャーナリストを標榜していますから、これはちょっと・・・・」


(社長)「いや、そうなんだよ。だから無理を承知で頼んでいる訳。あんたの立場でやれないというのは織り込み済み。ただ、こっちも霞を食って生きている仙人ではないし、売って何ぼの世界なんだよ。その上で店をたたむとなると、残務処理で半年もかかる。本当に頼む人はあんたしかいないんだよ」


(私)「事情は分かりましたけど、悪い言い方をすると、私はカタギですよ。私とは住む世界が違います」


(社長)終始無言。


私はお人よしのところがあって、だんだん、その社長がかわいそうになりました。頼む人はあんたぐらいしかいない、とまで言われると、少しは考えますよね。


(私)「で、仮に私がその仕事を引き受けるとして、期間はどれくらいですか?」


(社長)「期間じゃないんだ。集客の数。現状から30人、客が増えれば、何年かは安泰になるわけ」


最後まで乗り気ではなかったのです。卑しくも、社会正義を標榜するジャーナリストがそこまでやっていいのかどうか。やるにしても、パチンコ、パチスロのこと、全くと言っていいほど、分かりません。


データや下地、専門知識は提供すると言われたので、渋々引き受けました。かつてはとは言え、私たちの世界では、情報提供者には取材源の秘匿など、特別扱いをします。裁判で訴えられ、証人と法廷に立っても、また、逮捕、起訴されても、ネタ元を明かさないのが、我々の最低限のルールなのです。


ですから、この仕事を引き受けるのは、「苦渋の選択」でした。


ですが、最近になって、目標の30人、ゲットしました。で、また悪い言葉ですが、「足を洗った」わけです。そのブログにはメンタル系患者や幣著の読者から、いろいろ書かれました。


それを読んで、気分が良いわけがありません。ご説ごもっともの世界もあるので、それは折込済みです。私は人からどうこうみられているか、ということを基準に考えていません。それを基準にしてしまうと、仕事にならないのです。


一番腹がったったのは、テイクという33歳、無職、双極性障害患者(Ⅰ型かⅡ型かは不明)。「ご無沙汰しております」からはじまり、「熱海君」(私は今月で52歳になりました)「自称ジャーナリストから随分カタギの生活していますね」


ご丁寧にも、パチンコの講義もしていただきました。ほとんど、的はずれでしたけど。曲りなりにも、私や私の著作は、国立国会図書館に氏名と職業(ジャーナリスト、NPO法人理事)と登録されています。お暇の方は、「熱海芳弘」で検索すると、3ページ目当たりに出てきます。


一部の流行作家を除き、物を書く人は自分の自己実現のためだけでなく、(特にノンフィクションの世界で)、左系右系問わず、自分が信じたこと、主張したいこと、それを表現するために、しゃかりきになって、締め切り間際には徹夜を重ねしたためるのです。

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