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 個人情報保護法とマイナンバー(社会保障・税番号)法の改正法が3日午後の衆院本会議で、自民、公明、民主などの賛成多数で可決、成立した。改正で、個人情報や10月から番号の通知が始まるマイナンバーを使える範囲が広がる。プライバシー保護を監視する第三者機関は、改組前の組織より権限を強めて来年1月に発足する。

 だれの個人情報かをわからないように加工した「匿名加工情報」の枠組みもできる。企業がビッグデータを外部に提供するなど、ビジネスなどに生かせる。マイナンバーでは、2018年に個人の銀行口座の情報とも結びつけられるようにする。たとえば、税務署による税務調査の際、預金残高の状況をつかみやすくなる。「メタボ健診」や予防接種の記録も結びつけ、転職や引っ越しの際などにスムーズに引き継げるようにする。

 法案は5月に衆院で可決したが、日本年金機構の個人情報流出問題を受けて参院で法案が修正され、改めて衆院で採決となった。この修正により、日本年金機構はしばらくマイナンバーを扱えない。情報漏れや悪用などの状況を監視する第三者機関の個人情報保護委員会が、マイナンバー関連の情報をきちんと扱っているかどうか確認するため、行政機関や年金機構へ定期検査に入ることも加わった。(青山直篤、藤田知也)

■主な改正点

【個人情報保護法】

・個人情報の使い道を広げやすくする

・「匿名加工情報」の枠組み

 →だれの情報かわからないようにして、本人の同意なしで外部に提供も

・来年1月に個人情報保護委員会が発足

 →情報漏れや悪用などを監視

【マイナンバー法】

・同意があれば銀行口座とマイナンバーを結びつける

 →税務署などが税務調査で預金情報をつかみやすい

・メタボ健診や予防接種の記録にも使える

・日本年金機構はしばらくマイナンバーを使えない