ニュース詳細
改正マイナンバー法が成立9月3日 13時24分
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日本に住む一人一人に12桁の番号を割りふるマイナンバー制度の利用範囲を金融や医療などの分野に広げることを目的とした改正マイナンバー法が、3日の衆議院本会議で、自民・公明両党と民主党、維新の党などの賛成多数で可決され、成立しました。
改正マイナンバー法は、日本に住む一人一人に割りふる12桁の番号に納税や社会保障などの個人情報を結びつけるマイナンバー制度の運用が来年1月から始まるのを前に、制度の利用範囲を金融や医療などの分野に広げることなどを目的としています。
改正法は、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題を受け、機構がマイナンバーを扱う時期を遅らせるなどの修正を参議院で加えて可決されたことから、衆議院に戻されていました。そして、3日の衆議院本会議で、自民・公明両党と民主党、維新の党などの賛成多数で可決され、成立しました。
また、衆議院本会議では、ビッグデータを活用してビジネスチャンスの拡大を図ることを目的とし、個人情報を特定されないように加工すれば本人の同意がなくても事業者が情報を第三者に提供できるようにすることなどを盛り込んだ改正個人情報保護法も可決され、成立しました。
新聞、通信、放送各社の編集や報道の責任者でつくる日本新聞協会編集委員会は「個人情報保護法によって本来は規制対象外である報道機関への情報提供行為に抑制効果が及んでいる。新聞協会は改正に際し、報道など公共・公益目的の活動への配慮を明確にするよう求めてきた。しかし、主張が受け入れられないまま、改正案が成立したことは遺憾であり、引き続き措置を講じるよう求めていく」とする小泉敬太代表幹事の談話を発表しました。
改正法は、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題を受け、機構がマイナンバーを扱う時期を遅らせるなどの修正を参議院で加えて可決されたことから、衆議院に戻されていました。そして、3日の衆議院本会議で、自民・公明両党と民主党、維新の党などの賛成多数で可決され、成立しました。
また、衆議院本会議では、ビッグデータを活用してビジネスチャンスの拡大を図ることを目的とし、個人情報を特定されないように加工すれば本人の同意がなくても事業者が情報を第三者に提供できるようにすることなどを盛り込んだ改正個人情報保護法も可決され、成立しました。
新聞、通信、放送各社の編集や報道の責任者でつくる日本新聞協会編集委員会は「個人情報保護法によって本来は規制対象外である報道機関への情報提供行為に抑制効果が及んでいる。新聞協会は改正に際し、報道など公共・公益目的の活動への配慮を明確にするよう求めてきた。しかし、主張が受け入れられないまま、改正案が成立したことは遺憾であり、引き続き措置を講じるよう求めていく」とする小泉敬太代表幹事の談話を発表しました。
改正マイナンバー法は
改正マイナンバー法は、マイナンバー制度の利用範囲を金融や医療などの分野に広げることを目的としたものです。
具体的には、税の徴収漏れや生活保護の不正受給などを防ぐため、金融機関に対し、預金残高など個人の預金情報をマイナンバーで検索できるように管理することを義務づけています。
また、風しんなど法律に基づく予防接種の履歴や、特定健康診査、いわゆる「メタボ健診」の結果などをマイナンバーと結びつけて管理することで、転居しても市区町村や健康保険組合などの間で情報を共有できるようにするとしています。
一方、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題を受けて、日本年金機構に対しては、マイナンバーを扱う時期を来年1月から最大で1年5か月、マイナンバー制度と基礎年金番号を結びつける時期を予定されている再来年1月から最大で11か月、それぞれ遅らせることにしました。
また、改正個人情報保護法は、「ビッグデータ」と呼ばれる膨大な電子情報を活用してビジネスチャンスの拡大を図ることを目的としたものです。
名前や住所、生年月日に加え、顔を認識するデータなどを個人情報として位置づけ、こうした情報を個人を特定されないように加工すれば、事業者が、本人の同意がなくても情報を第三者に提供できるようにすることなどが盛り込まれています。
具体的には、税の徴収漏れや生活保護の不正受給などを防ぐため、金融機関に対し、預金残高など個人の預金情報をマイナンバーで検索できるように管理することを義務づけています。
また、風しんなど法律に基づく予防接種の履歴や、特定健康診査、いわゆる「メタボ健診」の結果などをマイナンバーと結びつけて管理することで、転居しても市区町村や健康保険組合などの間で情報を共有できるようにするとしています。
一方、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題を受けて、日本年金機構に対しては、マイナンバーを扱う時期を来年1月から最大で1年5か月、マイナンバー制度と基礎年金番号を結びつける時期を予定されている再来年1月から最大で11か月、それぞれ遅らせることにしました。
また、改正個人情報保護法は、「ビッグデータ」と呼ばれる膨大な電子情報を活用してビジネスチャンスの拡大を図ることを目的としたものです。
名前や住所、生年月日に加え、顔を認識するデータなどを個人情報として位置づけ、こうした情報を個人を特定されないように加工すれば、事業者が、本人の同意がなくても情報を第三者に提供できるようにすることなどが盛り込まれています。
今後の流れ
マイナンバー制度を巡っては、来月5日以降、日本に住む一人一人に割りふられた12桁の番号を通知するための「通知カード」が、市区町村から住民票のある住所宛てに簡易書留で届けられます。この「通知カード」は、制度の運用が開始される来年1月以降、市区町村に申請すれば、顔写真の入ったICカード「個人番号カード」に無料で交換できます。そして、再来年1月からは省庁などの間で、再来年7月からは国と地方自治体の間で、マイナンバーと結びつけられた個人情報のやり取りができるようになる予定です。
さらに、政府は、制度の利用範囲を、今後、戸籍や証券分野などにも拡大することを目指していて、6月にまとめた新たな成長戦略に、こうした内容が盛り込まれています。
さらに、政府は、制度の利用範囲を、今後、戸籍や証券分野などにも拡大することを目指していて、6月にまとめた新たな成長戦略に、こうした内容が盛り込まれています。
今後の課題
マイナンバー制度を巡っては、さまざまな個人情報がマイナンバーと結びつけて管理されることから、サイバー攻撃などを受けた際に多くの個人情報が流出するのではないかという懸念が根強くあります。
政府は、個人情報を1か所に集めて管理するのではなく、従来どおり、担当部署が別々に管理する「分散管理」を行うため、1つの部署が管理している個人情報が漏れたことをきっかけに、次々に個人情報が漏れる心配はないとしています。
さらに、個人情報をやり取りする際には、情報を暗号化するため、盗み取られたとしても個人情報にはたどり着けないと説明しています。
ただ、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題などを受けて、国や地方自治体はサイバーセキュリティー対策の一層の強化を迫られています。また、企業は、従業員や扶養家族などのマイナンバーを把握して管理する必要がありますが、準備の遅れも指摘されていて、来年1月からの制度の運用開始に向けて、課題は残されています。
政府は、個人情報を1か所に集めて管理するのではなく、従来どおり、担当部署が別々に管理する「分散管理」を行うため、1つの部署が管理している個人情報が漏れたことをきっかけに、次々に個人情報が漏れる心配はないとしています。
さらに、個人情報をやり取りする際には、情報を暗号化するため、盗み取られたとしても個人情報にはたどり着けないと説明しています。
ただ、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題などを受けて、国や地方自治体はサイバーセキュリティー対策の一層の強化を迫られています。また、企業は、従業員や扶養家族などのマイナンバーを把握して管理する必要がありますが、準備の遅れも指摘されていて、来年1月からの制度の運用開始に向けて、課題は残されています。
「公平な形で税制度を作り直していくことが政府のねらい」
マイナンバー制度に詳しい富士通総研の榎並利博主席研究員は「これまでは、一人一人の所得などを正確に把握したうえで徴収や給付をすることはできなかったが、マイナンバーと預金情報を結びつけることで、いくら徴収するのか、いくら給付するのかなど、公平な形で税制度を作り直していくことが政府のねらいだ」と話しています。