トップページ政治ニュース一覧防衛相 安保法案 趣旨伝わっていない面ある
ニュース詳細

防衛相 安保法案 趣旨伝わっていない面ある
9月2日 20時27分

安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会で、中谷防衛大臣兼安全保障法制担当大臣は、先月30日にこれまでで最も規模の大きな法案への反対集会が国会周辺で開かれたことについて、法案の趣旨が十分に伝わっていない面もあるとして、丁寧に説明を続けていく考えを強調しました。
この中で、中谷防衛大臣兼安全保障法制担当大臣は、安全保障関連法案を巡って、先月30日にこれまでで最も規模の大きな反対集会が国会周辺で開かれたことについて、「国民にさまざまな意見があることは承知しているが、政府としては、新たな安全保障環境に対して、国民の命や平和な暮らしを守っていくための必要な政策として法案を提出した」と述べました。そのうえで、中谷大臣は「法案の趣旨が伝わるように努めているが、まだ十分に伝わっていない方もいるということで、さらに丁寧に分かりやすく説明を続けていきたい」と述べました。
また、岸田外務大臣は、外国軍隊への後方支援の際の弾薬の輸送に関連して、「わが国がアメリカの核兵器を運ぶことはありえないと認識している。今回、議論が行われたので、改めて、わが国として、アメリカに対して照会を行ったが、アメリカがわが国に対し核兵器の運搬を要請するようなことはありえない」と述べました。
維新の党の小野幹事長代理は、維新の党が提出した対案について、法案に規定した「武力攻撃危機事態」での武力行使が個別的自衛権と集団的自衛権のどちらに当たるのか質問されたのに対し、「国際法上、個別的自衛権だという説もある一方、形式的に外国軍隊に第一撃があったケースだから集団的自衛権ではないかという議論もある。私たちの案は、憲法適合性を満たす法案として作り、内閣法制局長官経験者や憲法学者からも認められている」と述べました。
共産党の仁比参議院国会対策副委員長は、去年12月の自衛隊トップの河野統合幕僚長とアメリカ陸軍参謀総長との会談内容を記したとする文書を示し、「河野統合幕僚長は、安全保障法制の整備について『与党の勝利により、来年夏までには終了するものと考えている』と発言しているが、勝手にそんな認識を示したのか」と指摘しました。これに対し、中谷大臣は「資料がいかなるものか承知しておらず、防衛省で作成したものか否かも含めてコメントすることはできない」と述べました。
一方、特別委員会の与野党の筆頭理事が協議した結果、今月8日に参考人質疑を行うことで合意し、2日の特別委員会で全会一致で正式に決まりました。

共産党が示した文書は

共産党が示した文書は、自衛隊トップの河野統合幕僚長が去年12月に訪米したときの「会談の結果概要について」と題された20ページ余りの文書です。
河野統合幕僚長が去年12月、アメリカ軍の制服組トップの統合参謀本部議長や陸海空軍と海兵隊の幹部と個別に会談した際の内容がまとめられていて、この中で、河野統合幕僚長が、集団的自衛権や安全保障法制の議論について、「与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている」と発言したとされているほか、「集団的自衛権の行使が可能となった場合はアメリカ軍と自衛隊との協力関係はより深化するものと考える」などと述べたとされています。
このほか、北朝鮮や中国、それにロシアを巡る軍事情勢や、沖縄の基地問題などについて意見を交換したとされています。
これについて統合幕僚監部は、「現時点で文書の内容を確認しておらず、コメントできない」としています。

関連ニュース

k10010214031000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ