はるか遠くに海がかすんで見える。砂むし温泉で知られる鹿児島県指宿市の中心街から車で15分ほど。東愛理(30)が開いた農場は、山裾の棚田の一角にあった。
「開墾する前、ここはまるでやぶのようでした。暖かいから、雑草が冬も枯れずにどんどん育つのです」
6月初旬の梅雨入り後。大雨洪水警報が発令され、大粒の雨が降りしきる中、東は屈託のない笑顔で説明した。
30アール余りの農地には約20種類のアボカドの木が育つ。幾本かの枝に市販の果実の数分の1ほどの小さな実がなっている。一方で、育たずに枯れた木もある。様々な種のアボカドを植え、日本の気候風土に合うものを調べ、商品化するのが目的だ。
アボカドやマンゴー、ライチといった熱帯果樹を専門に扱う苗木の販売会社を経営する。日本ではまだ珍しい存在だ。これまではビニールハウスで栽培してきたが、温暖な指宿の地に露地栽培の農園を確保したのが4年前。徐々に規模を拡大し、ネット販売を中心に、出荷量も年間1000本以上に達した。「好循環になってきたと思う。この調子で、自分なりの流れをつくっていきたい」
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