佐野氏デザイン:京都の広告、秋田のイベントと酷似
毎日新聞 2015年09月03日 12時11分(最終更新 09月03日 15時05分)
撤回が決まった2020年東京五輪公式エンブレムのデザインを担当した佐野研二郎氏が12年5月に雑誌に発表した京扇子製造販売会社「京扇堂」(京都市下京区)の社名入り広告デザインが、同時期に開催された秋田県横手市のイベントチラシに似ているとの指摘が出ており、関係者が困惑している。
佐野氏が制作した広告デザインは、12年5月24日発売の雑誌「Hanako」1019号に掲載されたもので、「涼」の漢字の「口」の部分に扇子をあしらっている。
一方のチラシは、横手駅前商店街振興組合が同年6月3日に開催したイベントのもので、「口」の部分をうちわにしており、担当した秋田県内のデザイナーが、5月15日に自身のブログに掲載していた。ともに水色の色調で、文字全体を斜めに配置している点も似ている。
組合事務局の担当者は「デザインが似ていて戸惑っている。ただ、3年前のことでもあり佐野氏には問い合わせていない」と話している。
京扇堂によると、佐野氏から雑誌の企画のデザインで使うとして、社名の使用依頼があり許可した。雑誌で掲載されたことを会社のブログで紹介しているが、会社の宣伝には使っていないという。斉木俊作社長は「8月末に外部から指摘があり、初めて知った。酷似しているので驚いている」と話した。
Hanakoを発行する「マガジンハウス」(東京都中央区)は「入稿の詳しい経緯などは確認できない」としている。【礒野健一、松本紫帆】