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【SEALDs】若者のデモはメディアの消耗品【古谷経衡】

WiLL 8月31日(月)12時32分配信

無垢なる者の指摘は正しいのか

七月十日の国会前抗議集会では、実は「SEALDs」の周辺で数多くの小さな団体が反安倍・反安保法制を叫んでいたが、大手マスメディアは彼らの動向には見向きもしなかった。
 なぜなら、その小さな団体の構成員は中高年であり、無垢なる存在ではなかったからだ。
 私が「SEALDs」に感じた無垢の「演出」という印象も、このような「無垢なる者こそが真実を言い当てている」と考える上位世代の持つ世界観を承知したうえでの巧妙な計算のような気がしてならないからだ。
 イデオロギー勢力は、常に若者を利用したがっている。若者は無知・無経験であると同時に無垢の存在であって、その無垢な存在が発する言葉こそ本質的であり、真実である──と信じているからである。
 共産党や社民党、あるいは時として右派勢力が実施するデモや街宣活動で、若年参加者をデモの先頭に立たせたり、街宣車に乗せたりするのは、無垢なる者からの支持を担保として己の正当性を補強したいからにほかならない。
 しかし、本当に彼らのような若者を無垢な存在と見做してよいのだろうか。そして、無垢なる者の指摘には本当に傾聴に足る真実が含まれているのだろうか。
 私が大学生時代、学内で民青(日本民主青年同盟)に所属する学生らが無許可でビラを配ったとして、厳重注意のうえ停学処分になったことが何度もあった。
 彼らは、小泉内閣がブッシュの手先になって日本を戦争に巻き込もうとしている、という内容の檄文を配っていた。時にはそのなかに、大学当局への批判も含まれていたように回想する。
 彼らは明らかに政治的主張をしていたが、当時の大学生の総意を代弁したものではないことも明らかだった。私たちは構内で、小泉と大学当局を大声で呪詛しながらビラ配りをする政治的な学生を冷ややかな目線で見つめ、「あんな変な連中に絶対にかかわらないようにしよう」と陰口を言い合っていた。
 二十歳そこそこで政治的な活動をする人間はすでに既存のイデオロギーに毒されている。断っておくが、私は「SEALDs」や「ふるえる」デモが民青と同等であるというつもりは毛頭ない。前述のとおり、彼らの外面上の洗練性には嫉妬すら感じるからだ。
 しかし、彼らの主張はそのやり口が相当程度穏健になっただけで、既存のイデオロギーからの少なくない汚染を発見する。

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最終更新:8月31日(月)16時37分

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