東京五輪エンブレム白紙撤回 都の費用負担は最大で1億円超か

09/03 00:27
白紙撤回となった東京オリンピックのエンブレム。東京都のエンブレムに関わる費用負担は、最大で1億円を超える見込み。
文字通りの白紙撤回となった、2020年東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレム。
1日、撤回の発表を受けての記念撮影か、写真撮影されていた成田空港のポスターも、作業員によって、壁からはぎ取られていた。
さらに、大会組織委員会の受付に掲げられていたエンブレムは、ねじ1本を残し、跡形もなくなっていた。
発表から一夜明け、各地で進められた撤去作業。
エンブレムを使用していたスポンサー企業も、その対応に追われた。
佐野氏がデザインしたエンブレムを、ウェブサイト上に載せていた企業は、1日夜のうちに差し替え。
さらに、羽田空港のボーディングブリッジに掲げられた看板は、8月31日夜に張られて、1日にお披露目されたばかりだが、わずか1日で撤去されることが決まった。
電子看板にエンブレムをデザインしていた日本航空は、近く撤去する方向で調整中だという。
撤去や削除が進む一方、消せないものもある。
全日空が毎月発行している機内誌。
その中で、エンブレムを使用していたため、9月号については変更できず、刷り直しはしない方針だという。
白紙撤回によって広がる影響。
それは、東京都も例外ではない。
会見用に作られたパネルは、8月、1回の使用でお蔵入りとなった。
さらには、大量に発注された袋や、エンブレムがデザインされた職員の名刺、これらはどうなってしまうのか。
舛添東京都知事は「これ(名刺)、本来の目的は、わたしの名前を知らせるためのものなので。だから、全職員にわたしが指示して、もったいないから捨てるなと。これ(バッグ)は、マークのためにやったわけじゃなくて、紙のバッグなんですよ。使えるじゃない、こんなものは。一生懸命使って、書類入れたりしていたら、どうせ、ぼろになっちゃうから。そうすると、次のエンブレムができるころに、ごみにすれば、十分約束、この目的は達せるので。少しでも、無駄を排したいというふうに思っていますので」と述べた。
東京都によると、これまでに、エンブレムの入ったポスターやのぼりなどの発注額は、およそ4,600万円。
さらに、1カ月前、華々しく行われたエンブレムの発表会には、最大で7,000万円の費用を払う可能性が出ている。
これだけでも、事実上、およそ1億円以上の無駄になってしまう。
経済評論家の平野和之氏は「再度、これをコンペをし直す経費、そして今度は、そこに従事する時間。議論をしていって、責任追及といった形で、税金が使われていくということなども含めると、(撤回によってかかった費用は)1億5,000万円はくだらないのではないか」と話した。
果たして、その代償は、生かされるのか。
責任の所在が、いまだあいまいな中、遠藤オリンピック担当相は「組織委員会、審査委員会、デザイナー、三者三様、それぞれの立場で、私は責任があるんだろうと思っております」と述べた。
組織委員会は、新たなエンブレムを再び公募で選ぶ方針。

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