映画「山口組三代目」まさかのタイミングでDVD化 高倉健が田岡組長を演じた伝説の作品、東映が決断
映画「山口組三代目」のDVDが、来年1月に発売されることが決まりました。ファンの間でDVD化が絶望視されていた、東映による実録路線ヤクザ映画です。高倉健さんが田岡一雄・3代目組長を演じた伝説的な一作。実際の山口組は分裂騒動の渦中ですが、発売元の東映ビデオは「もちろん今の組織とは関係ない作品。純粋に一つの映画として見てほしい」としています。
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田岡組長を高倉健が演じた伝説的作品
「山口組三代目」は、実在の組織や抗争を題材とした実録路線シリーズの一作として、1973年に公開。岡田茂社長(当時)が田岡組長と直接話をして映画化の約束を取り付けました。実名で登場する主役の田岡組長を、大スターの高倉さんが演じています。これまでも、CS放送やネットのオンデマンド放送では放映されていましたが、DVDにはなっていませんでした。このため、かつて販売されていた中古のVHSビデオテープに数万円の値段が付くなどしており、ヤクザ映画ファンの間ではDVD版の発売が待たれていました。
「すごい商売スピリッツ」ファン騒然
今月1日、アマゾンや楽天など大手ネット通販サイト上で来年1月6日の発売と予約受け付け開始がアナウンスされると、SNS上でファンたちが「さすがの東映」「感動した」「すごい商売スピリッツを感じた」などと騒然となりました。このほか、同じく高倉さん主演の続編「三代目襲名」、実在した山口組系団体のヒットマン・夜桜銀次を菅原文太さんが演じた「山口組外伝 九州進攻作戦」も、同じタイミングでDVD化・発売されます。
分裂騒動は「関係ない」
くしくも現在、山口組の分裂を巡るニュースが世間を騒がせています。このタイミングでのDVD発売告知はニュースへの便乗商法では?といった声もありますが、東映ビデオ宣伝販促室の担当者は「最近のニュースとは全く関係がなく、たまたま重なっただけ」と否定します。
ちょうど同社では、いずれも昨年に死去した高倉さんと菅原さんの主演作品の再販などを、年間を通した追悼企画として展開していました。その一環として、来年1月の発売が決まっていたそうです。
「封印作品」は否定、プロモーションは控える
ファンの間でささやかれていた、諸般の事情でお蔵入りになった「封印作品」という扱いも否定。「作品名がダイレクトだが、今の組織とは関わりのない純粋な映画作品」と胸を張ります。ただ、「旧作なのでプロモーションは控える」といい、熱心なファンの口コミ的な拡散に期待しています。
DVDはいずれも税抜き4500円。現在、大手ネット通販サイトで予約を受け付けており、追って東映ビデオの直営オンラインショップでも受け付けるそうです。