博報堂出身・中川淳一郎さん、デザイン業界の「ムラ社会体質」を指摘

2015年9月2日11時55分  スポーツ報知

 元博報堂社員で、広告業界に詳しいネットニュース編集者、中川淳一郎さん(42)は、今回の五輪エンブレム問題を「今までは出て来なかった、広告・デザイン業界のムラ社会体質が表れた」と指摘し、仲間内のみで行った選考会のあり方を痛烈に批判した。

 広告業界というのは権威主義が激しい業界です。なぜ広告のクライアント(依頼者)が電通や博報堂に仕事を発注するかというと、広告の質がどうこうではなく「電博(電通と博報堂)の著名なクリエイターに頼んでもダメなら誰に頼んでもダメだ」という言い訳が成り立つからなんですよ。広告の仕事を発注する方は扱う額が大きいので、失敗した時の保証が欲しいわけです。

 コピーライターにしても谷山雅計さんみたいに1980年代からの大御所が今でも居座り続けていたりして「新しい才能を見つける」という文化がそもそもない。五輪エンブレムの選考委員も皆、業界の「スタープレーヤー」。佐野さんもデザイナーとしては40代前半ではナンバーワンとされてきた。ムラ社会のコンテストで選んでいる。今までが表に出なかっただけで、やっていることは昔から同じですよ。

 デザイン公募はもう1回やるべきでしょうが、無制限に募集するのは無理でしょう。ビリケンの顔の部分に佐野さんの顔写真をはめたり、小保方晴子さんや佐村河内守さんを使ったようなふざけたデザインが殺到するのが目に見えています。募集の裾野は広げるべきですが、応募者はどこかのデザインコンペで一度入賞歴があるなどの条件をつけるべきでしょうね。

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